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【EDH】メインフェイズに《むかつき》撃つデッキは土地を盛れ教

タイトルの通りです。
EDHの構築について思う所をつらつらと書いていこうと思います。

自分はもともと、同様のアーキタイプであっても一般的なcEDHデッキと比べて土地を多めにする傾向があるのですが、『デッキ内のマナ総量を少なめにした構築を行い、メインフェイズに《むかつき》を撃つ』という行動を有力なプランとしているデッキであれば、特にそういった方向性の構築が有用であると考えています。
さらに言うのならば、4色以上の固有色を持つシンボル濃いめのデッキであればなおさらに。


1・むかつきデッキの構築方針

まずメインフェイズに《むかつき》を撃つデッキの場合、《むかつき》の解決直後に動き出し、そのターン中にそのままコンボを決めて勝つ事を目的にしているのですが、《むかつき》自体が5マナと中々の重さであるため、《むかつき》解決時にはマナが余っていないという状況になっている事が多々あります。
ゲームプランとしては対戦相手が十分に妨害を構えられていないタイミングを狙って動きたいと考えているため、そもそもの自分のマナソース展開も十分ではない序盤に撃つ事が多いです。《沈黙》や打ち消し合戦で強引に《むかつき》を通した場合ならばなおさらです。

そこで重要になるのが、《モックス・ダイアモンド》や《魔力の墓所》、《猿人の指導霊》といった、「0マナから1マナ以上を生み出す事が出来るカード」となります。

これらカードから出したマナを起点に、各種マナ加速を駆使してサーチ・フィニッシュまで繋ぐのがデッキの常套手段です。
《むかつき》デッキでは、ライフが尽きる前にどれだけ0マナの加速を引けるかが完走率に直結すると言っても過言ではありません。
一方、そういった無から有を生み出せるカードはMTGの歴史の中でもそこまで枚数が多い訳では無く、現在でも追加の加速要素は強く望まれている状況です。

もちろん、マナ加速だけではなく安定してフィニッシュカードに辿り着くためのサーチカードも重要なのですが、こちらは過剰に引いてしまうと手札で持て余してしまいますし、テンポ的には損なカードなので、増やせば増やすほど良いとは言い切れないカード群となっています。
これらサーチカードはマナ総量や使い勝手を無視すれば十分な種類もあり、ある程度は取捨選択出来るパーツと言えるでしょう。

いろいろ拘らなければサーチカード自体は沢山ある

そうして、《むかつき》1枚から十分なマナ加速やフィニッシュカードを手に入れるため、それらアーキタイプはデッキのマナ総量を抑えた構築とする傾向があるのです。


2・《むかつき》キャスト時に意識する事

前項ではむかつきデッキの基本的な構築方針を説明しました。
続いてここでは、実際に《むかつき》解決時に意識されている事について解説していきたいと思います。

一定数のライフを用いて《むかつき》でどれくらいカードを手に入れられるかを考える時に重要なのは、「ライブラリー内でもっとも大きなマナ総量を持つカード」「ライブラリー内に残っている有効牌の枚数」、そして「ライブラリー内カードのマナ総量平均値」です。

ライブラリー内で最も大きなマナ総量を持つカードは単純に《むかつき》のデッドラインを押し上げます。
例えば《深淵への覗き込み》がデッキに残っている状況ならば、7以下のライフでライブラリーを捲り続ける事には大きなリスクが伴いますが、ここでライブラリー内の最も重い呪文が《意志の力》である場合、あと2ライフを失うまではデッキを捲り続けても即死は避けられるでしょう。
それは結果的に、より多くのカードを手札にもたらします。

クソ重必要悪カード

ライブラリー内に残っている有効牌の枚数が多ければ、それだけ少ないライフでより良い手札を作り上げる事の出来る期待値が上がります。
例えばこれは極端な話なのですが、それまでのゲームで全ての0マナ加速を使い切っている状態かつタップアウトで《むかつき》を撃つ場合、どれだけ手札を増やしても一切の展開が出来ず、勝ち切る事が出来ません。
マナ加速やチューターといった有効牌がライブラリーに十分残っているのならば、手札0枚のタップアウト状態でもある程度は安心して《むかつき》を撃つ事が出来るようになるでしょう。

ライブラリー内カードのマナ総量の平均値の低さもまた、少ないライフでより良い手札を作り上げる可能性を上げる助けとなります。
これまた極端な話となりますが、例えライフが40点ある状況だとしても、ライブラリーの平均マナ総量が5ならば40ライフでも捲れる期待値はわずか8枚。10枚も捲らない内に止まってしまう可能性が高いです。
そうなると、例えデッキ内に十分なマナ加速やチューターがあったとしても、それらに辿り着くのは至難となってしまうでしょう。


3・土地増量のススメ

さて、という訳でここからが本題となります。
《むかつき》デッキの土地の比率を上げた場合、デッキにはどのような影響があるでしょうか?

・デッキ内のマナ総量が下がる

まず、0マナである土地の比率を増やした場合、基本的にデッキ内のマナ総量は下がります。少なくとも上がる事はありません。
1~3マナあたりのマナ加速や妨害札を数枚土地に換えてデッキ内のマナ総量を下げる事は、前項の通り《むかつき》でより多くのカードを捲る事の出来る可能性を上げる働きがあるため、《むかつき》の解決をする場合には有効な状態となります。

半面、デッキ内の土地の比率を増やす事は、デッキの中身を薄くする事にもつながってしまいます。
過剰な土地比率の増加は、「《むかつき》を通して解決する」というそもそもの目的を却って遠ざけてしまう事でしょう。


・土地のセット権を十全に活用出来る

次に、デッキの土地の比率が上がるという事は土地のセット権を無駄にする事なくマナソースを展開出来る確率が上がる、という事です。

《暗黒の儀式》や《猿人の指導霊》といった各種儀式系スペルは確かに強力ですが、多くの場合それらはフィニッシュ直前まで手札で滞り、盤面の展開には貢献しませんし、土地セットが滞っている際には手札を溢れさせすらします。
一方でそれが土地だった場合には、その場で確実かつ継続的な1マナを増やし、手札が溢れる事を防ぎます。

《秘儀の印鑑》や《友なる石》のような2マナで設置して1マナを発生させるマナファクトは、加速しつつ継続的なマナをもたらしてくれますが、それはそのターンの土地セットが伴えばの話。
土地をセットしないターンの《印鑑》キャストは1マナ分のテンポ損、タップインランドを置いたのと同様の状況となってしまいます。
2マナファクトのマナ加速は、あくまでそのターンの土地セットが伴ってこその効果なのです。

使いきりではなく、設置時にテンポも失わないのが土地カードの利点。

もちろん、儀式系スペルの助けなく土地のみでマナソースを展開していればデッキは鈍重となり、《むかつき》デッキの持ち味が死んでしまいます。
手札のマナソースが土地ばかりでマナ源が手札に長く滞ってしまいそうな時、2マナファクトの存在はスムーズなマナソースの展開を助けてくれるでしょう。
これは特に、《織り手のティムナ》のようなドローソースが上手く回っていて手札の土地が尽きないような状況ならば頻出する状況です。
これらの種類のカードも、デッキには間違いなく必要なものでしょう。

しかしながらそれでも、現在の《むかつき》デッキでよく見かける土地枚数である29枚というのは、流石に安定した土地セットには少な過ぎると自分は考えます。
自分としては「もう2~4枚足したくらいが適正枚数なのでは?」と思っているのですが……。


・序盤の動きが安定する

現在の《むかつき》デッキは、対戦相手の妨害を考慮しないのならば、安定して2~4キルが可能な構築になっています。
そもそも現環境は数年前に比べればずっと加速しており、フィニッシュコンボと妨害が飛び交うようなクライマックスとなるゲームレンジが3ターン目辺りになる事もざらです。
翻って、最序盤のパーマネントの展開がゲームの結果を左右する事も増えている状況です。

そうしてデッキに入っている土地が少ない場合、初手で手札に入ってくる土地の枚数が、標準的なキープ基準ギリギリの2枚にとどまってしまう事が多くなってしまいます。
そうなると1、2ターン目にセットする土地(=使える色の種類)の選択肢が狭まり、最序盤の動きがぎこちなくなってしまう可能性が上がります。

4色デッキ初手の色事故例

特に4色以上のデッキやシンボルの濃いカードの多いデッキでは、「1、2ターン目にセットされるであろう初手にある土地と、手札のカードやジェネラルのマナコストが全く噛み合わない」という事故が発生しやすくなってしまう事でしょう。

《真鍮の都》のような5色土地を初手に引けていれば問題ないのですが、初手が《雲海》のような2色土地ばかりだった時でも、セットする土地の選択肢が多ければ、より安定した動き出しが出来ます。
初手に入る土地の平均枚数を増やす(=デッキの土地の比率を上げる)構築をする事は、重要な序盤の安定性を高めてくれる事でしょう。


4・まとめ

《むかつき》デッキの土地比率を上げる事には、「《むかつき》解決時の完走率上昇」「マナベース展開の安定性上昇」といったメリットがあります。

一方で、「(特に中盤以降)手札の質が下がる可能性の上昇」というデメリットも存在します。

しかしながら、現在の《むかつき》系デッキにおいて主流である『29枚前後』という土地枚数は、土地のメリットを十分に活かすには少な目の枚数であると自分は考えています。

そのため、デッキ内のマナソースが過剰にならないように弱いマナ系カードを優先的に削りつつ、土地の枠を普段より少し多めに取る事をお勧めしたいと思います。
ジェネラルやその他のカードの選択にもよりますが、個人的には31~33枚程度が最もバランスの良い印象です。


皆もデッキの土地、盛ろう!!


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