見出し画像

『機械兵団の進軍:決戦の後に』EDH視点カード評価

Twitterでカードがぽつぽつ紹介されてるなー、とか思ってたらもう全カード公開になってて驚きました。
発売までもう1週間もないなんて時間の流れは早いですね。

最近のセットから考えるとかなり異例の小型エキスパンションだからプレビューが小規模になっていたであろう事、『機械兵団の進軍』のエピローグ的な立ち位置で発売タイミングも特殊であった事を差し引いても完全に油断してました。

そんな訳でいつものカード評価です。
今回はたった50枚だからちょっと気楽だ。


1・カードリスト・リリースノート

・通常版カードイメージギャラリー


・特別版カードイメージギャラリー

・リリースノート(2023/05/17追記)

https://media.wizards.com/2023/downloads/MAT_Release_Notes/JP_MTGMAT_ReleaseNotes_20230120.pdf



2・カード評価

☆白

・神格化

プレインズウォーカー版《崇拝》みたいなカード。直接の除去にも対応出来るように呪禁のおまけつき。
選んだPWタイプが保護対象となるので、同じPWタイプのPWを複数コントロールしているとちょっとお得です。

PWがダメージを気にせず盤面に定着し続けられるようになるとはいえ、そのような状況だと忠誠度はほぼ1で固定されてしまうでしょう。
+能力が有用であるか、+能力でクリーチャーを並べて盤面に余裕を作れるPWで使用したい所ですね。

+能力でアドを稼げる上、主目的となる部分の使用感は変わらず、さらには固有色に白を含む統率者として使用できる《エルミンスター》なんかはぴったり嵌りそうな印象。
着地直後に-3能力で自前でクリーチャー準備も期待出来るのも嬉しいです。


☆青

・濾過

3マナという軽めのコストで置物を纏めて処理出来る呪文。
自分のターンの直前に撃って自ターンに使えるマナを増やしたり、コンボ成立直前に合わせて撃って妨害出来るインスタントなのは、使い勝手が良くて非常に嬉しいですね。

有効範囲を考えると3マナというのは破格なのですが、EDHで頻出するスタックス系統カードはバウンス対象外となるクリーチャーもかなりの種類があるのが悩みどころです。
クリーチャーはジェネラルで頻繁に見かけるカードタイプであるため、デッキに多めに入るであろうピン除去で要所を押さえつつ、仕上げでこの呪文を撃って盤面を掃除するような運用を心掛けたいですね。


☆黒

・マルコフ男爵

クリーチャーでマッドネスなので《エインジー・ファルケンラス》カード。
《エインジー》が吸血鬼で+1/+1対象なので、タイミング良く3点火力を避けれる日がいつか来るかもしれない。


☆赤

・無謀な始末

アーティファクト限定《ギャンブル》みたいなカード。
捨てたカードがアーティファクトだった場合、各対戦相手への2点火力が付いてきます。

《ギャンブル》と比べて1マナ重くなりサーチ対象も著しく狭くなっている事は、2点火力の可能性を得た事の代償としては全く釣り合っていないのですが、それでもハイランダーのEDHでは結構出番がありそうです。


☆緑

3マナになって強化された《水蓮のコブラ》といった雰囲気のレジェンド。
ターン2回目の上陸時にアドバンテージを得る事が出来ます。

アドバンテージ能力は嬉しいのですが、軽さが肝であるマナ加速クリーチャー(しかもそのジャンルでは決して軽いとは言えない2マナ)のマナ総量が1.5倍になっても果たして使われるのか、という点が気になります。

書いてある事は強力なので、少し遅めのレンジで戦いつつマナが出ると嬉しいデッキなら《コブラ》以上の適正がありそうです。
《トレストの密偵長、エドリック》とか《トリトンの英雄、トラシオス》辺りは相性悪くなさそう。


☆多色

・囚われの黒幕、オブ・ニクシリス

対戦相手にちょうど1点のダメージを与えるたび、+1/+1カウンターを1個得るとともに衝動的ドローが誘発するレジェンド。
1個の+1/+1カウンター獲得に反応して1点ダメージの飛ぶ《完全なる統一》とのコンボが話題となっています。

相棒が5マナと重く、赤黒では扱いにくいエンチャントである点が気になりますが、それでも(加えて起点となる1点ダメージが必要なので概ね)1枚コンボには期待が高まります。
赤黒という攻撃的な固有色を活かし、大量マナ加速から一気に決めたい所。

カード性能とは関係ない話なのですが、「人間→PWに目覚める→呪われてデーモンになる→PWでなくなる→PWに戻る→PWでなくなる」というジェットコースターみてーな人生を送っている彼の今後のストーリー上の活躍が地味に気になっています。
フレーバーテキスト見る限り、今度はニューカペナに閉じ込められた上で全マフィアに狙われる身になってるし。
悪役とは思えない苦労人なニクシリスくんの明日はどっちだ。


☆アーティファクト

・再鍛されたレガシー、カーン

毎ターン、コントロールするアーティファクトの数に等しい無色マナ(ただしアーティファクト呪文専用)を出してれるレジェンド。

無色ジェネラルとしては、使いやすい有用な能力を持ち、かつ比較的軽めなので期待の新人となりそうです。
展開すればするほど展開力が上がっていくので、多少重かろうが安定したドロー手段さえ確保出来れば圧倒出来そう。


☆土地

特になし


3・まとめ

通常のセットに比べて圧倒的にカード種類が少ない割りに、有用そうなカードが多いですね。
なんやかんやで各色1枚はワンチャン以上ありそうなカードとしてピックアップ出来ましたし。

ただ、前セットの《フェアリーの黒幕》のような一目で分かる圧倒的なパワーカードはなく、効果は強くとも扱いにひと工夫が必要そうなカードが多く、適度な強さにまとまっているような印象を受けました。

多数収録されている統率者候補も同様で、多色かつ3~5マナ程度のそこそこ軽めのコストで継続的なアドバンテージ能力を持っているという「強めの統率者」の条件を満たしているカードこそ多いものの、そのどれもがアドバンテージを得る条件や制限が絶妙、かつ得られるアドバンテージもそこまで莫大ではなく「構築にひと工夫がいる、そこそこ強めの統率者」に落ち着いているように見受けられます。

総じて、統率者戦向けとして評価するならば、いい感じのバランスに落ち着いたセットと言えるのではないでしょうか?
個人的にはもうちょっと弾けたカードが1、2枚混じってた方が好みでしたが。もうちょっと危なげのあるカードを出してもいいのよ?


冒頭で書いた通り、このセットの発売が間近である事に驚いていた訳ですが、そんな衝撃も束の間『指輪物語:中つ国の伝承』の追加プレビューがなされていました。
7月発売予定なのでまだ身構える段階ではないのですが、「やっぱ最近の新カードの発行ペースはえーよ」と思う次第です。

そんな訳で、次は『指輪物語:中つ国の伝承』です。
イニシアチブでやらかした反省か「指輪があなたを誘惑する」は大分調整されてますね。
すでに発表されていて強そうな雰囲気を放っている《一つの指輪》をはじめとした、その他通常カードのパワーに期待です。

それでは。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?