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『統率者デッキ:WARHAMMER 40,000』EDH視点カード評価

「ウォーハンマー40,000」とのコラボで統率者デッキが出るそうです。
新規カードも沢山あるので、いつもの通常セットのように統率者戦で使用する前提で見ていこうと思います。


1・カードリスト、リリースノート

・カードリスト


・リリースノート

https://mtg-jp.com/rules/img/40k_faq/JP_MTG40K_Commander_ReleaseNotes_20220912.pdf


2・カード評価

☆白

・スペースマリーン・デヴァステイター

白い《再利用の賢者》。
1マナ重い代わりに、分隊能力の追加コストをキャスト時に支払う事でコピーを増やす事が出来ます。大量のマナがあれば盤面の邪魔な置物を一掃する事も出来るでしょう。

《再利用の賢者》の強みはクリーチャーである事で、その強みを活かせる緑だからこそ評価が高くなっている部分もあります。
そのため、白くなってしまっているコイツはちょっと使いにくそうです。

これでもう少しマナ総量とサイズが小さければ、単純に唱えやすいだけではなく《護衛募集員》や《セヴィンの再利用》といった白い強カードとのシナジーもあって評価できたのですが……。


☆青

・特になし


☆黒

・イルミノール・スゼラス

タップ+他のクリーチャーを生け贄にする事で、そのマナ総量に等しい黒マナを出す能力を持つクリーチャー。
《Soldevi Adnate》を思わせるようなカードです。

《Soldevi Adnate》と比べ、生け贄に捧げるクリーチャーの制限がなくなった事はメリットなのですが、3マナと少し重くなった事、自身を生け贄に捧げられない事といったデメリットも増えています。
総合的に見るとデメリットの方が大きく感じられます。特に自身を生け贄に出来ないのは単体で出しても何も出来なくなってしまったため致命的。

もし採用するのならば、重たいクリーチャーを安定して戦場に送り込めるデッキで、となるでしょう。
いっその事自身がレジェンドなのを活かしてジェネラルに据えてしまうのもいいかも知れませんね。


・リッチーガード

自身を生け贄に捧げる事で、墓地のレジェンドをまとめて手札に戻す能力を持つクリーチャー。
起動までは非常に重いですが、大量のアドバンテージ獲得を狙える可能性を秘めています。

ループコンボのキーとなり得る《隻眼の将軍 夏侯惇》を戻せるのが偉いです。加えて《スカージの使い魔》がいれば、手札に戻った他のレジェンドも無駄なくマナに変えつつ墓地に送り返す事が出来てお得です。
大量に墓地を肥やすループ系コンボデッキで一役買うかもしれません。


・墳墓からの脱出

ライブラリーにカードがない場合、カードを引く代わりにリアニメイト行う能力を持ったエンチャント。
アップキープごとに段々と数を増しながら切削を続ける能力もあり、リアニメイト条件達成の補助を行います。

このカード自体の能力がどうこう、ではなく切削ギミックのカウントに用いる「永劫カウンター」によって無限ターンコンボが成立すると話題になっています。
そのコンボとは、《墳墓からの脱出》で使われている「永劫カウンター」は《水の帳、マゴーシ》で使われているものと同じ名前であるため、《巣ごもりの地》で毎ターン《墳墓からの脱出》から永劫カウンターを《マゴーシ》に移す事で無限ターンが成立する、というものです。

3枚コンボではありますが、土地2枚と3マナのカード1枚で必要なマナも少なめなのでまずまず良いコンボと言えそうです。
ただ、無限ターン成立前も成立後も《墳墓からの脱出》の切削が不確定要素になって邪魔なのが少し気になります。(《脱出》を先置きすると他パーツが墓地に落ちてしまう可能性がある、無限ターン成立後も数を増やしながら切削が進み続ける)
……もういっその事、毎ターン永劫カウンター置くだけのゴミだったら良かったのに。


・無限なるトラザイン

アーティファクト版《壊死のウーズ》といった雰囲気を持つレジェンド。
あるいは刻印の手間が消えた《マイアの溶接工》。

《壊死のウーズ》に比べてサイズが大きい代わりに、マナ総量は重めになっているため、単体での取り回しは少し悪くなっています。
また、コンボを狙う場合には必然的にアーティファクト軸となるため、《生き埋め》が使えないなどリアニメイト軸での構築もハードルが高くなってしまっています。

それでも《マイアの溶接工》と比べれば断然現実的な性能ですので、アーティファクト軸の墓地利用デッキを組むのならば採用を検討に値するカードとなるでしょう。

いっその事、自身をジェネラルに据えてしまうのもいいかも知れません。
固有色が黒単になるとは言え、アーティファクトの多くが無色であるので構築制限の影響はそこまで大きくならずに済みそうです。


☆赤

・特になし


☆緑

・ネクソス

自分のコントロールする土地すべてに2マナを発生させる能力を与えるクリーチャー。ただしそうやって出したマナはXコストにしか支払えません。

多めにマナが出る代わりに「Xを含む呪文/コストにしか支払えない」系統のカードはこれまでも数枚ありましたが、そのどれもが今一つパッとしませんでした。
ただ、このカードは本人がシングルシンボル2マナと軽く、その割に増やせるマナの期待値も大きいのでシナジーに沿ったデッキならば扱いやすい部類となってくれそうです。

まあ、使いこなそうと思うと《Candelabra of Tawnos》(土地からのマナが概ね1.5倍になる)とか要求し出すのでハードル高いのは難点なのですが。


・トキシクレイン

すべての土地を指定した《高山の月》、といった感じの常在型能力を持ったクリーチャー。
似たような効果を持ったクリーチャーである《月の大魔術師》などと比べると1マナ重く、さらにはモダン・レガシーほど土地に頼ったデッキは少ないため、EDHではそこまで大きな影響力はなさそうです。

採用される場合は《彩色の灯籠》のように色マナの供給を安定させる方がメインで、ついでに《Bazaar of Baghdad》や《Mishra's Workshop》といった強力な土地をメタる、みたいな感じになりそうです。

あと、2/4・到達・接死と何気に頼れるボディーなので、ぐだった時には意外と活躍しそうな予感。


☆多色

・強奪者、アバドン

グリクシスカラーになった《大渦を操る者、イドリス》といった雰囲気のレジェンド。
5マナとマナ総量こそ増えているものの、《宝石の睡蓮》や《魔力の墓所》などによる早期着地がしやすくなりました。

また、《イドリス》と違って「戦闘ダメージを与えれば無条件に続唱」という訳にはいかなくなりましたが、代わりに戦闘を用いずとも対戦相手のライフを減らせば続唱出来るようになっています。

第一印象としては、《イドリス》と一長一短といった感触です。
そこそこやれるジェネラル候補ではないでしょうか?


・メイガス、ルチア・ケイン

無色2マナを出せるマナクリレジェンド。
《騒々しい写本、コーディ》のように、自身のマナ能力の起動をトリガーとする誘発型能力を持ちます。その内容は、「次のXを含む呪文/能力をコピーする」というものです。

パッと思い浮かぶ所だと、《召喚の調べ》でキキジキコンボなどのクリーチャーコンボを揃える動きなどでしょうか?

制限があるとは言え呪文コピーは強力な能力なので、探せば他にも可能性のあるカードが見つかりそうです。


・マルネウス・カルガー

トークンが自軍の戦場に出るたび1ドロー出来るレジェンド。
6マナ起動とコストは非常に重たいですが、自身でトークン生成する能力も持っています。

5マナと少し重めですが、ちょっと構築に気を配れば安定してドロー出来そうなスペックです。
ターン1回などの制限もなく、対戦相手のターンにトークンが出ても誘発するのが嬉しい所。《白鳥の歌》されても1ドロー出来るからあんまり悔しくない!

最近はトークン生成を行うカードも多く、パーマネント呪文のコピーを行うカードも新たに増えて来ているのも追い風ですね。


・赤きマグヌス

《イズマグナスのミジックス》の亜種といった感じの、インスタント・ソーサリーを軽減する能力を持ったレジェンド。
軽減の数は、経験カウンターの代わりにコントロールしているクリーチャー・トークンの数を参照します。自前でトークンを生成する能力も持っているのは良い所です。

インスタント・ソーサリーでトークン生成を行える呪文をマナ加速代わりにして《ミジックス》同様のストームコンボを狙う感じのデッキになるのでしょうか?
しかしそれだと、ドローやマナ加速呪文で自己完結していた《ミジックス》に比べるとノイズが多くなりそうなのが不安要素です。

軽減条件となるトークンがクリーチャー限定でなければより危険そうで良かったのですが。
《波止場の恐喝者》とかから一瞬でゲームが決まりそうだったのに。


☆アーティファクト

・黄金の玉座

敗北を一度だけ置換してくれる能力を持ったアーティファクト。
加えて、クリーチャーを生け贄に3マナも出してくれる起動型能力も持っています。

能力同士のシナジーは特にないものの、《むかつき》との相性は抜群で、《むかつき》を唱えるためのマナを大量に確保しつつ、敗北置換によってライブラリーを掘りきる事を可能とします。

4マナと、《むかつき》を使うデッキに入るカードとしては少し重たいですが、《ロフガフフの息子、ログラクフ》や《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》のようなクリーチャーを戦場に出しやすいor並べやすいデッキならば採用を検討出来そうです。


・久遠なる栄光の笏

久しぶりの、5マナ以下で3マナ出せる固有色なしのマナファクト。

《時間の大魔道士、テフェリー》が大喜びで採用します。
アンタップインである事、3マナ出せるようになる条件が単色だと達成容易な事、色マナを出せる事、そのどれもが素晴らしいです。
元から《妨害》や《撃退》、《あと戻りの映像》のおかげで《島》の依存度が高めだったのですが、より基本土地を大事にする事になりそうです。



3・まとめ

全体的に非常に重たくサイズの大きなカードが多く、その割にカードパワーは控えめな印象でした。

コラボセットという事もあり、恐らくは原作再現とカジュアルプレイを重視した結果なのでしょう。
再録カードも軒並み新規イラストを貰っており、それどころかデッキ(勢力)ごとに別の新規イラストが用いられている事からもその力の入れようが分かります。

現行のEDHデッキへの新規採用として考えると、重くてカードパワー控えめという事で、影響は中~低レベル帯を中心としたものとなりそうです。

そんなカード群の中、個人的に特に期待出来そうだと思っているのは《マルネウス・カルガー》です。
ドローのトリガーとして考えるとトークン生成はかなり容易な部類ですし、それで5マナはまだ軽い部類と言えるでしょう。固有色も白青黒と強めなのも良いです。

あと、《黄金の玉座》は《むかつき》で試されるに値するだけのカードではあると思っています。
4マナという重さもあり、期待は薄めですが3マナ出せるのはホント強そうなんだよなぁ。

個人的に嬉しかったカードはやはり《久遠なる栄光の笏》。
もうこれ以上増えないと思っていた、1枚で3マナ出せる、比較的軽めのマナファクトです。
あと、かなりどうでもいい事ですが、色マナ3つ出す癖にコラボセットなおかげで名前に「水蓮」とかついてないため無駄に値段が付く事がなさそうなのがちょっと嬉しいw


次は『Unfinity』ですね。
なんか最近はセットのプレビューがホント早すぎてビビります。
『Unfinity』は色々とぶっ飛んだセットになりそうなので評価に苦労しそうですが、無事書きあがったなら、そちらの記事も読んでやってください。


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