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ソフトボールの思い出

日本では野球が人気のスポーツの一つだが、野球を経験していない日本人は多くともソフトボールを経験していない日本人は珍しいだろう。というのも、義務教育での体育の授業では、ベースボール型球技を教えることになっており、ベースボール型球技としてはソフトボールを適宜取り上げることになっているからだ。一方で野球は義務教育で教えることにはなっていない。

ここで、野球とソフトボールの違いについていくつか例を挙げていく。
・使用する球はソフトボールの方が大きい
・塁間はソフトボールの方が狭い
・ソフトボールの一塁はダブルベースで、打者はオレンジ色のベースを使わないといけない場合がある
・ソフトボールの投手のバッターへの投球は下投げ限定だが、野球と違い腕を一回転までさせることが許されている(ウインドミル)

他にも違いがあるが、細かいルールについては義務教育の授業では教わらない。実際に試合をしたときにルールが適用される状況に出会い、覚えていくことになるだろう。実際に、私はソフトボールの試合でそういう状況に出くわしたことがある。

それは確か中学生の夏休みのこと。中学校の校区内のいくつかの地区でまとまってチームを組み、試合をするということになった。それで、朝早くに数km離れた所に住む、高校球児と思しき青年からソフトボールを教わった覚えもある。その青年も眠そうにしており、トランクス一丁で出迎えられた記憶がある。
そうして迎えた試合。回は進み、私は幸運にも四球で一塁に出ていた。ピッチャーが投球するのを私は一塁から見守る。すると、私はアウトを宣告された。そう、「離塁アウト」だ。野球では投手の投球前の離塁、すなわちリードが許されているが、塁間の狭いソフトボールでは許されていない。ソフトボールでは盗塁するにしても、投球されてからベースを離れて走り出す必要があるのだ。そんなルールがあることなど、誰も教えてくれていなかった。

運動は苦手な私だが、その「離塁アウト」のことはしっかり覚えている。なんとか出塁してチームの役に立てると思えたのに、ルールを知らなかったためにアウトになった、そんな苦い思い出。
「知っている」ことの大切さ。この出来事から学んだことはきっとそれだ。そして、私はそれを他の人にも伝えたい。