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MTGのカードを300枚売ったので領収書を見て思い出語り②

カードを300枚ほど売った①の続きです

MTGの競技プレイをやめて暫く経ってから売ったカードのレシートを見ながら思い出話をする記事です。
競技プレイをしていたのは「イクサラン」の頃までなので、最近の事情に関する話は薄めです。

前回の記事はこちら。

今回は、2枚目以降のレシートから数枚抜粋して書いていきます。

2枚目になると単価も安くなってきますね
3枚目。300枚もあると「これ売った中に入ってたんだ」みたいなのが混ざってきますね

前回同様、カード毎に区切って買取価格、当時の購入価格、現在の販売価格を併記した後に、カードの思い出を書いていきます。
現在の販売価格は、買取をしてもらったのと同じ晴れる屋さんの価格を参照します。
購入価格は記録が残ってないものが多いので、記憶の範囲で書きます。

闇の腹心/Dark Confidant

買取価格:900円 (PLD)
購入価格: 5,000円
現在の販売価格: 2,800円(NM)、2,240円(PLD)

今でも消耗戦での強さは健在だが……

前回の《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》に引き続き、やや時代に取り残されてしまった2マナクリーチャーです。
「土地がめくれたら宇宙」というセリフで有名なクリーチャーですが、近年のモダンやレガシー環境ではスペック不足が否めないところもあります。
環境の高速化、「ジャンド」のメタゲーム上の地位の低下、同じ黒の2マナの《ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker》といった令和仕様のライバル、《レンと六番/Wrenn and Six》の-1能力……理由は色々ありそうです。

私はモダンのグランプリやプロツアー予選の時期になると、「親和」ともう1~2種類のデッキを並行して試しつつ環境を見てデッキを決めるということをしていました。
確か「GP神戸2017」のモダン環境だったと思いますが、その頃のデッキとして《包囲サイ/Siege Rhino》を入れた「アブザン」が一定数いて、私もそのデッキを試していました。

「タルキール覇王譚」を代表する1枚。
モダンでも《出産の殻/Birthing Pod》が禁止される要因になりましたね。

当時の「アブザン」は2マナが《闇の腹心/Dark Confidant》と《タルモゴイフ/Tarmogoyf》の2マナ四天王(死語)に加えて《漁る軟泥/Scavenging Ooze》と《残忍な剥ぎ取り/Grim Flayer》、3マナは《未練ある魂/Lingering Souls》と《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》、4マナに《包囲サイ/Siege Rhino》というのが鉄板の構成でした。
今から見たら信じられないほど時代遅れな気がしますが、当時はちゃんとしたデッキでした。

こいつの能力で未練ある魂を墓地に送るとMTG上手い気分に浸れます

当時は《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》が禁止カードだったのもあり、「ジャンド」より「アブザン」の方が人気だったと思います。
緑黒2色にまとめることもできましたが、パワーカードが少なめで玄人向けでしたね。あと2色の方が逆にマナベースがキツい(ダブルシンボルのカードが増えるので)。

たまに見るジャンドの秘密兵器。緑黒ミラーでは1枚でゲーム決める強さ(だった)

しかし、GP本戦では結局「親和」を使いました。
緑黒ロック系のデッキの宿命として土地コンボ系のデッキが苦手で、《原始のタイタン/Primeval Titan》から《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》が爆発してくる「赤緑タイタンシフト」に勝てなさ過ぎたのが理由だったと思います。
記憶ではこの頃はMTGOで結構タイタンシフトに当たっていたはず。
とは言え、「親和」もメインボードから《神々の憤怒/Anger of the Gods》を撃たれると厳しいので相性はあんまり変わらなかった気がします。
どっちでも大して変わらないなら得意な方で行く派です。
GPみたいに長丁場の大会だとミスも出やすいですし、雑多なデッキにしっかり勝つことも大事ですので。

土地コンボのデッキが対面で出てくると緊張感がありますね

本戦は確か初日は抜けたと思います。
金曜日に有給を取って前日入りして、三宮で食べた2万くらいのステーキが美味しかったのを覚えています。
初日の夜はラーメンを食べました。「神戸牛らーめん八坐和」というお店だったと思います。肉がローストビーフでした。食べログを見ると今は休業中のようです。

ちなみに、神戸が5月で同じ年の8月にイギリスのバーミンガムでモダンのGPがあって夏休みの旅行がてら参加したのですが、デッキがなんだったかは記録がなくてわかりません。
初日の終盤は時差ボケで起きているのも苦しかったことだけ覚えています。
写真を漁ったら2日目にサイドイベントのドラフトを一生やっていたことがわかったので、初日落ちだったようです。

サイドイベントの賞品でもらったロシア語の「タルキール龍紀伝」、チャネルのデッキケースやスリーブ、チャネルTシャツ(フランス、イタリアなどの国旗カラー)など
向こうの会場は大きくて机も広いので快適でした。椅子も背もたれがしっかりしていますね

大会が終わった後はロンドンに移動して、何日間か観光をして帰りました。
「ハリーポッター」の撮影にも使われたオックスフォード大学の構内とか、ロンドンのお城にあるバカでかい宝石の嵌められた王冠、ロンドンから片道4時間かかるアーサー王の墓(FateのUnlimited Blade Worksのアニメの最終話で出てくるやつ)とかを見たりしました。

カードよりも旅行の話ばっかりになってしまいましたが、出不精な人間でも自然と旅行できるのがリアルマジックの良い所の一つかなと思います。

察しのいい方はお気づきになったかと思いますが、《闇の腹心/Dark Confidant》を買ったはいいけどあんまり使わなかったってことです。

感動的な眺望所/Inspiring Vantage

買取価格:800円 (NM)
購入価格: 800円
現在の販売価格: 1,300円(NM)

カラデシュの対抗色ファストランドです

めちゃくちゃ使ったカードのはずなのですが、NM査定だったことに驚いています。
私はMTGのカードを使う時は、まずインナースリーブを上から入れて(カードの下部が開く状態)、次にアウタースリーブに下から入れる(カードの上部が開く)という風にしていました。
この方法だとカードの生身の部分が露出することは基本的にないので、そのおかげで状態が良かったのかもしれませんね。

インナースリーブは「KMCカードバリアー100パーフェクトサイズ」、アウタースリーブは「KMCカードバリアーハイパーマットグリーン」を常に使っていました。

今でも統率者戦のカードは全部これを使っています。FOILカードとの相性も良いです

赤白ファストランドは何と言っても「カラデシュ」がスタンダードにいた頃は常に「機体」デッキでお世話になっていました。
私は主にアグロ~ミッドレンジの速度域のデッキを使っていたので、「機体」は完璧に合ったデッキでした。

《密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter》の話は前回書きましたが、コプターが禁止されても「霊気紛争」で《キランの真意号/Heart of Kiran》と《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester》が出て「機体」はむしろ余計に流行りましたね。
私も一生「機体」に搭乗してアタックし続けていました。お供の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》も強かったですよね。

ルーティング能力はないとはいえ、4/4でむしろコプターよりデカい

「GP静岡2017春」(同じ年に2回も静岡があった)で私が使ったのも「機体」デッキでした。
私は当時死ぬほど忙しくて練習する時間が全く取れなかったのですが、通勤時間にデッキリストを調べたりしてぶっつけ本番の「マルドゥ機体」で参加したら初日はギリギリ抜けられました。
さすがに2日目は練度の差が出てあまり勝てませんでしたね。覚えている限りでは、ミラーでキープ基準が甘すぎて何もできずメインボードを落としたり、デッキリストを対「サヒーリフェリダー」に寄せ過ぎていたりと、まぁ負けても仕方ないかな……といったところ。
5敗したところでドロップしてそのまま仕事に戻りました……

スタンダードで2枚の即死コンボがあるのは珍しかったですね

他には《巻きつき蛇/Winding Constrictor》を入れた緑黒ミッドレンジとかも結構多かったですが、生物主体のデッキなので「マルドゥ機体」側がサイドボードからプレインズウォーカーを投入してコントロールに変化することで結構勝てるって感じでしたね。
今でも“アグレッシブサイドボーディング”って言葉あるんですかね?

《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade》と相性抜群

《感動的な眺望所/Inspiring Vantage》はモダンでは「バーン」でよく使われていますが、「バーン」はMTGOで練習していたものの全然上手く扱えず諦めた記憶があります。
スタンダードの「赤単アグロ」とかは得意だったのですが、「バーン」は下手くそすぎてトラウマになるレベルでした。
あんまり他人に教えてもらわずに自己流でマジックをやっていたので、自分で理解できないデッキは全く使えないというのが割と致命的だったと思います。オタクも人脈が大事

至高の評決/Supreme Verdict

買取価格:500円 (NM)、250円 (PLD)
購入価格: 800円
現在の販売価格: 1,000円(NM)、800円 (PLD)

打ち消されない《神の怒り/Wrath of God》

《スフィンクスの啓示/Sphinx's Revelation》と並んで「ラヴニカへの回帰」以降のスタンダードの「青白コントロール」(トリコ、エスパー含む)を支えた名カードですね。
私が競技プレイを始めようとした時、プロツアーの動画で見たノンクリーチャーのコントロールデッキを使ってみたいと思って買ったカードです。
呪文で相手を捌いて勝っていくのがカッコよく見えたんですよね。

しかし、MTGプレイヤーならわかると思いますが、初心者がコントロールを使うのは自殺行為です。当然、ボロクソに負けまくりました。
あまりの下手くそさに見かねた対戦相手の人が試合後にどの呪文にカウンターを打つべきか、どれは除去で捌くべきかなどを教えてくれることもありましたね。

《スフィンクスの啓示/Sphinx's Revelation》は買った時の値段が2,500円以上はしたと思います。4枚で1万円以上。
青白コントロールはなかなか高いデッキでしたね。
ちなみに、今は晴れる屋さんで販売が200円とかなので、売ってもマトモに値段がつかなかったと思います。

XドローX点ゲイン。デカいマナで打てるとめちゃくちゃ気持ち良いカードです

「初心者の自分にエスパーコントロールは無理だ」と気付いてからは、「白タッチ黒人間ウィニー」みたいな正反対のデッキを使っていました。
直線的なデッキはゲームレンジが短く、最初3ターンくらいはほとんど迷う余地もないので初心者でも扱いやすく、相手の全体除去の有無などの要所の読みに集中できます。
デッキが単純な分ゲームの勝ちパターンや負けパターンを理解しやすく、ウィニーを使い始めてからの方が早く上達することができましたね。

「大隊」で1マナ3/3。実質《野生のナカティル/Wild Nacatl》

モダンでも「青白コントロール」は一定数見るデッキでしたね。
ある程度上達してコントロールも扱えるようになり、モダンのPPTQに出る時に「青白コントロール」を使おうと思ってMTGOでテストして結構良さそうだったことがありました。
ガチガチのコントロールというより、序盤軽く捌いて《悪斬の天使/Baneslayer Angel》、《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》あたりを着地させて勝つみたいなデッキでしたね。
スリーブに詰めてデッキリストの用紙も準備したんですが、当日寝坊して大会に出られなかったので結局私と「青白コントロール」は縁がなかったのかもしれません。

悪斬と1枚ずつ入れるのがオシャレでした

突然の衰微/Abrupt Decay

買取価格:300円 (NM)
購入価格:1,700円
現在の販売価格:800円(NM)

《至高の評決/Supreme Verdict》と同じくラヴニカへの回帰の「打ち消されない」サイクルですね

これもだいぶ安くなりましたね。

《闇の腹心/Dark Confidant》で書いたようにモダンのアブザンでも使いました。
もう一つ思い出深いデッキはレガシーの「BUGカスケード」です。
「GP千葉2016」がレガシーで、その時に《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》が強かったのでそれを軸にした構築として使っていました。

能力が強いしフレーバーテキストも良い。スタッツも3/3なので強い

ちなみに2016年のレガシーは「独楽相殺」もあるし、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》も使える環境でした。
トップ8のデッキに入っている《渦まく知識/Brainstorm》の枚数を足すと32枚、つまりトップ8全員が青入りデッキなのもしょっちゅうでした。
この頃のレガシーはメタゲームが偏っていて競技レベルのデッキの幅はやや狭かったのですが、その分細かい部分を詰めることができて個人的には好きでした。
人によって幅広い環境が得意な人もいれば、狭めな環境が得意な人もいますよね。

「1マナのプレインズウォーカー」と呼ばれたカード。
”本当は2マナで刷られるはずだったのに間違って1マナになった”という有名な都市伝説も。

《突然の衰微/Abrupt Decay》の最も重要な所は「打ち消されない」ために《相殺/Counterbalance》を破壊できるところでした。
「青白奇跡」はメタゲーム上かなり多く、奇跡に対して戦いづらいデッキは使いたくなかったんですね。
色々なデッキを試しつつ最終的に衰微が使えてリソース勝負しやすい「BUGカスケード」にしたという経緯です。

《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》と揃うと「実質2キル」と言われていました

「BUGカスケード」は《断片無き工作員/Shardless Agent》の「続唱」能力を軸にパワーカードを押し付けるので個人的にも結構好きなデッキでした。
続唱でめくれるカードが《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》や《タルモゴイフ/Tarmogoyf》、《祖先の幻視/Ancestral Vision》ですからね。
基本的にSSR確定ガチャを回すようなものです。
相手の場に何もいない時は除去がめくれるとハズレですが、そういう場面は1日に1回あるかないかくらいで、基本的に打てば打つだけ得をするカードという感じでした。

今ではモダンでも使えるようになって《衝撃の足音/Crashing Footfalls》をめくっていますね。
何が出るかも確定だからSSRサイトークンx2引き換えチケット?

レガシーは当時かなり人気がありましたがGPのような大きな大会が限られていたので、ヨーロッパやアメリカからわざわざ参戦しに来るプレイヤーもいましたね。
私も15回戦のうち確か2~3回くらい外国から来た方とマッチしました。
動画や配信でMTG英語を覚えていたのでコミュニケーションは結構楽しくできた気がします。
上の方でイギリスのGPに出た話を書きましたが、前年のGP千葉で海外のプレイヤーと交流した経験もヨーロッパに行こうと決めるのに役立ったかもしれません。

今年か来年あたりはそろそろまた海外に旅行しに行くのもよさそうですね。

まとめ

脱線上等で好き放題に書いていたら、今回はカード以外の話も多めになりました。
旅もMTGの一環ではあるとも思うので、まぁいいかなと。
楽しんで頂けたなら何よりです。

今回でレシートの3枚目までを見ましたが、残りはもう買取50円とかそういうレベルになってきます。
書く前は「ある程度値段ついているカードの話じゃないと面白くないよな~」と思っていたのですが、よく見てみると買取50円の中に当時3000円とかで買ったカードも普通に混ざっていたりして、むしろ値崩れしたカードにこそドラマがあるかもしれません。
次に書くときは4~6枚目を見てみたいと思っています。

現役のMTGプレイヤーではないのでMTGに関しては思い出話か統率者の話くらいですが、今後も引き続きゲーム周りの話は色々書くかと思います。
よろしければフォロー、スキ評価など頂けますと嬉しいです。

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