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勝野昌慶 すべてが高水準な本格派リリーバー【2023ドラゴンズ個人成績分析 - 11】

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個人成績分析の第11弾は勝野昌慶投手です。
2023年から本格的にリリーフ転向した勝野投手ですが、1年目から素晴らしい活躍を見せてくれました。今回は、そんな勝野投手のスタッツを詳しく見ていきます。

本記事のデータは、主にNPB公式および日刊スポーツ様から集計しています。独自集計のデータがほとんどですので、一部実際の数値とずれている場合があるかもしれませんがご容赦ください。もし見つけたら教えて頂けると助かります。



2023シーズン成績まとめ

勝野投手の2023シーズン成績は以下の通りです。

勝野昌慶 2023シーズン主要スタッツ

防御率・Whiff%・K%・被打率・被OPSなど、ほとんどのスタッツでリーグ平均をアウトパフォームしており、さすがの成績です。改善点を挙げるならやはりフォアボールでしょう。BB%(与四球率)がリーグ平均よりも少し悪く、この影響からかWHIPもリーグ平均を下回っています。フォアボールを改善できればほとんど弱点の無い投手になると言っても過言ではないでしょう。

球種別スタッツ

続いて、球種ごとのスタッツを見てみましょう。

勝野昌慶 球種別スタッツ

ストレートを含めて5種類のボールを操ります。カーブとシュート(ツーシーム)については投球数が少ないため少し極端な数字になっていることに注意してください。

すべての球種で高いWhiff%(空振り率: 空振り/スイング)を誇り、被打率の数字も優秀です。シュートは結果球となったのが5球のみなので被打率の数字としてはかなり悪くなっていますが、Whiff%が高いので使いどころと制球に気を付ければ大きな魅力を秘めたボールだと思います。

フォークのみリーグ平均よりもWhiff%が下回っています。球速が速いことを考えると、小幅に変化するスプリット系のボールなのかもしれません。被打率の数字としてはかなり優秀で、打たせて取ることのできるボールと言えます。

空振りも取れるストレートとシュートを軸に、ウイニングショットにスライダー、打たせて取るならフォークといった感じでしょうか。いずれの球種も高水準で、リーグ屈指のリリーバーと言われる日も近そうです。

実は左打者の方が得意

続いて対左右別の成績を見てみましょう。

勝野昌慶 対左右別スタッツ

実は右打者よりも左打者の方がはるかに得意にしていることが分かります。配球の特徴としては、右打者に対してはスライダーをメインに、左打者に対してはフォークをメインにしています。また、シュートは主に右打者に対して投げているようです。

下の図は、対右打者と対左打者のゾーン別長打率を並べて比較したものです。

勝野昌慶 対右打者 ゾーン別被長打率
勝野昌慶 対左打者 ゾーン別被長打率

対右打者の場合は真ん中高めとインローに要注意ゾーンがありますね。一方で対左打者の場合はどのゾーンでもほとんど長打を打たれていません。左キラーと言っても過言ではないレベルです。

課題は得点圏シチュエーション?

続いて、ランナーのシチュエーション別スタッツを見てみます。

勝野昌慶 シチュエーション別スタッツ

得点圏になるとストレートが減り、フォークに頼るようになっています。どちらのシーンでも抑えているので特に問題は無いように思えますが、フォークを見逃されると苦しくなるのか得点圏の方がBB%の値が悪化しています。勝野投手はストレートの指標もバツグンなので、得点圏でも自信をもってストレートを投げ込んでいって良いのではと思います。

球種別球速の推移

最後に、各登板における球種別の平均球速の推移を示します。

勝野昌慶 登板ごとの球種別平均球速の推移

特徴的なのは、シーズンが進んでいくにつれてストレートの平均球速が上がっていることです。疲れが出て球速が落ちていってもおかしくないのですが、むしろ上がっています。リリーフとしての調整方法などが確立されてきたのかもしれません。リリーフ投手が調子を崩すときは球速の低下が伴うことが多いですから、このデータは非常に心強いです。来季もタフネス右腕としてフル回転を期待したいですね。

まとめ

最後までご覧頂きありがとうございました。
勝野昌慶投手の2023シーズンをまとめると、

  • すべての球種で高水準なWhiff%

  • 実は左キラーでほとんど長打を打たれていない

  • 得点圏になるとフォークが増え、結果BB%が悪化

  • シーズンが進むにつれてストレートの平均球速がUP

といった感じです。

今季は本格的にリリーフ転向して2年目のシーズンになります。当然勝ちパターンの一角として計算される投手なので、1年を通しての活躍を期待しています。ぜひ中継ぎのタイトルも獲って欲しいですね。

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