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小笠原慎之介 ウイニングショットの意外な落とし穴【2023ドラゴンズ個人成績分析 - 21】
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個人成績分析の第21弾は小笠原慎之介投手です。
昨年は開幕投手に選ばれ、1年間ローテーションを守り抜きました。成績としてはまだまだ上を目指せると思いますが、まずは3年連続の規定投球回到達を喜びたいですね。今回はそんな小笠原投手の成績について詳しく見ていくことにします。
本記事のデータは、主にNPB公式および日刊スポーツ様から集計しています。独自集計のデータがほとんどですので、一部実際の数値とずれている場合があるかもしれませんがご容赦ください。もし見つけたら教えて頂けると助かります。
2023シーズン成績まとめ
小笠原投手の2023シーズン成績はこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1711379860481-m9EjdmWFPj.png?width=800)
Whiff%(奪空振り率)・K%(奪三振率)はいずれもリーグ平均と同程度です。被打率や被OPSなどもリーグ平均と同程度というのが気になりますね。規定投球回を投げているので当然リーグ平均よりも価値は高いのですが、一昨年の活躍を考えればまだまだ成績を上げる余地は大きいでしょう。
球種別スタッツ
続いて、球種別のスタッツを見てみましょう。被スイング率・Whiff%・被OPSについてはカッコ内でリーグ平均の値と比較しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1711380520517-aSou44T0gs.png?width=800)
ストレートについてはWhiff%がリーグ平均より低いですが、この数字自体はあまり問題ではなく、どちらかというと被OPSがリーグ平均よりも悪い数値になってしまっている点が少し気になります。
一方でスライダーとカーブについては素晴らしい数字が並んでいます。これらの球種は間違いなく今シーズンも軸になるボールでしょう。
一番の問題はチェンジアップでしょうか。チェンジアップも小笠原投手にとって軸になるべき球種ですが、被OPSが8割を超えてしまっています。被長打率が高く、狙われたときには危険なボールになりうる球種です。
チェンジアップの扱いには要注意
ではチェンジアップに注目して、ピッチチャートとゾーンチャートを見てみましょう。まずは、打撃結果をまとめたピッチチャートです。
![](https://assets.st-note.com/img/1711456646527-1z1HeWjlDr.png?width=800)
このチャートには結果球となったボールしか載っていませんが、かなり利き手サイドに集中しているようです。また、低めのゾーンでの三振は多いですが、ストライクゾーン内はやはりけっこう打たれていそうですね。
というわけで、次はゾーン別被OPSを見てみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1711457026373-L7gOV3zNb2.png?width=800)
左の列はピッチチャートで確認した通り母数が少ないため、数値の信頼性が低いことに留意してください。
その他のゾーンですが、いずれもかなり被OPSが高くなっています。チェンジアップを狙われたときにゾーン内に行ってしまうと、危険なボールになり得るということですね。しっかりとボールゾーンにコントロールするか、球種の使いどころを見直す必要がありそうです。
対左右別スタッツ
続いて、対左右別のスタッツを見ていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1711457241276-eZ8N4JBKN0.png?width=800)
対左には良い数値を残していますね。一方で課題は対右のようです。これについても、成績の芳しくないチェンジアップの割合が大きいことが影響していそうです。
小笠原投手は昨季ツーシーム系のボール(表記はシュート)をわずかながら投げていましたが、このボールの割合を増やすのもアリだと思います。ツーシーム主体の大野雄大師匠が対右を圧倒的に得意にしているので、もともと対左を得意としている小笠原投手にとって良い相乗効果が期待できそうです。
【参考】大野雄大師匠の変化球について熱く語っている記事です。
シチュエーション別スタッツ
最後に、ランナーのシチュエーション別のスタッツを見てみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1711457802413-8hlTg7ISHs.png?width=800)
得点圏になるとWhiff%・K%・BB%がいずれも悪化し、被OPSが1割程度悪くなっています。対ピンチで粘れるかが今季のカギになってきそうですね。
球種割合の変化を見ると、ストレートはそれほど変わらず、カーブとチェンジアップの割合が増加しています。やはりピンチになると得意球種に頼りたくなるのはどの投手も同じですね。冒頭で示した球種別スタッツを見るとスライダーの数値がかなり良いので、これを軸の一つに加えても面白そうです。
まとめ
最後まで読んで頂きありがとうございました。
小笠原慎之介投手の2023シーズンをまとめると、
スライダーとカーブのスタッツが良く、ストレートとチェンジアップが悪い
特にチェンジアップがゾーン内に行ったときに注意が必要
左打者が得意で右打者が苦手
得点圏の投球が改善できれば…
こんな感じでしょうか。
3年連続規定投球回を達成し、名実ともに安定感のあるローテーション投手に成長しました。欲を言えばもう一段階成績を伸ばしてエース級になっていってほしい存在です。
今シーズンも当然のように1年間ローテを守りながら、さらに飛躍した成績が残せることを期待したいですね!
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