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細川成也 「覚醒は本物」と言える理由【2023ドラゴンズ個人成績分析 - 18】

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個人成績分析の第18弾は、お待たせしました細川成也選手です。
22年オフに現役ドラフトでDeNAベイスターズから移籍してきた細川選手ですが、23シーズンは覚醒のシーズンと言える大活躍でした。今回は、そんな細川選手の昨シーズンを振り返っていきたいと思います。

本記事のデータは、主にNPB公式および日刊スポーツ様から集計しています。独自集計のデータがほとんどですので、一部実際の数値とずれている場合があるかもしれませんがご容赦ください。もし見つけたら教えて頂けると助かります。



2023シーズン成績まとめ

細川選手の2023シーズン成績はこちら。

細川成也 2023シーズン主要スタッツ

調子の波はそれなりにあったものの、終わってみれば24本塁打・OPS.780と素晴らしい成績でした。次はOPS.800越え、欲を言えば.850越えを狙っていきたいところですね。

ボール球のSwing%はリーグ平均と同程度ですが、Whiff%(空振り率)はリーグ平均よりも高くなっており、その影響もあってかK%(三振率)もリーグ平均より高くなっています。この辺はスラッガーの宿命とも言える部分かもしれませんね。

対ストレート/対変化球別スタッツ

続いて、対ストレートと対変化球に分割して成績を見てみましょう。

細川成也 対ストレート/対変化球別スタッツ

対ストレートのOPSは.752と悪くありませんが、実はリーグ平均と同程度です。一方で特徴的なのは対変化球で、OPSが.799とリーグ平均を大きく上回っています。細川選手はどちらかというと変化球に強い打者ということが分かります。

変化球にめっぽう強い

対ストレートと対変化球でOPSのゾーンチャートを比較してみましょう。まずはストレートから。

細川成也 対ストレート ゾーン別OPS

得意・不得意がはっきりしていますね。思ったよりも得意なコースは多くなさそうです。

続いて対変化球。

細川成也 対変化球 ゾーン別OPS

多くのコースでとんでもない高OPSを記録しています。投手からするとゾーン内には投げるところが無いな、という感じです。

併せて球種別のOPSもまとめてみました。

細川成也 球種別OPS

スライダー・カットボール・カーブ・シュートと、多くの球種に対して非常に高いOPSをマークしています。

一方で、フォークやチェンジアップは少し苦手にしているようです。まあチェンジアップの数値はそれほど悪いわけではないですし、フォークは全体的にOPSが低くなる球種なので仕方ないかなと思います。シンカーの数値も悪く見えますが、対象の打席数が4しかないので議論から外しています。

このように、苦手な球種が少ないことも細川選手の特徴と言えそうです。

球種別OPSを見ていて、半速球に強そうな印象を受けたので、次は球速帯別のスタッツをまとめてみました。

細川成也 球速帯別スタッツ

150 km/h以下のボールに対してはまんべんなく強いですね。半速球に強いというよりは、球速によらず強いという結論になりそうです(笑)ただし、やはり150 km/hを超えてくるとかなり数字が下がります。球速が上がると打率が下がるのは一般的な傾向なので仕方ないと言えば仕方ないのですが、この球速帯を強く弾き返せるようになるとスラッガーとして完成するのかなとも思います。期待したいですね。

左投手にもめっぽう強い

続いて、対左右別の成績を見てみます。

細川成也 対左右別スタッツ

対左投手の成績がずば抜けていますね。BABIP.385に少し助けられている可能性はありますが、それでも長打率が.537もあるので左投手を得意にしているのは間違いないでしょう。

Whiff%の高さは気にすべきか?

最後に、リーグ平均よりも少し悪い数字になっていたWhiff%について考えてみます。対ストレートと対変化球に分けて、ゾーン別Whiff%をリーグ平均と比較してみます。まずは対ストレートから。

細川成也 対ストレート ゾーン別Whiff%
リーグ右打者平均 対ストレート ゾーン別Whiff%

続いて対変化球。

細川成也 対変化球 ゾーン別Whiff%
リーグ右打者平均 対変化球 ゾーン別Whiff%

いずれも多くのコースでリーグ平均よりも高いWhiff%となっています。とはいえ、これはそれほど気にする必要はないのかなと思います。ここを改善するために当てに行くスイングになってしまったら、細川選手の長所が消えてしまいます。

1点だけ挙げるなら、アウトローの変化球に対してかなりWhiff%が高くなっています。このゾーンは、OPSも他に比べて低くなっていました。このあたりのボールに対してバットが止まるようになれば、出塁率のさらなる向上が期待できるかもしれませんね。

まとめ

最後まで読んで頂きありがとうございました。
細川成也選手の2023シーズンをまとめると、

  • 変化球に対して圧倒的な打撃成績

  • フォークとチェンジアップだけ苦手だが、他の球種に対してはいずれも高OPSをマーク

  • 広い球速帯のボールに対して高OPS

  • 150 km/h以上のボールは苦手

  • 左投手にめっちゃ強い

  • Whiff%が高いけど気にしなくていいよたぶん!

こんなところでしょうか。

どのボールに対しても対応できる能力を持っているので、昨年の躍進は「覚醒」というよりは、チームの変化、メンタルの変化、あるいは出場機会を得られたことにより、元々の高い打撃能力が十分に発揮された結果と言えるでしょう。

2024シーズンも変わらず上位打線の一角を担っていく存在になると思います(個人的には2番か3番を打ってほしい)。まずはケガなく1年間プレイし続け、その結果HR30本やOPS.850といったラインをクリアできることを期待しましょう!

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