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岡林勇希 ヒットメーカーたる理由とは【2023ドラゴンズ個人成績分析 - 04】

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個人成績分析の第4弾は、ドラゴンズの新たなヒットメーカー・岡林勇希選手です。

本記事のデータは、主にNPB公式および日刊スポーツ様から集計しています。独自集計のデータがほとんどですので、一部実際の数値とずれている場合があるかもしれませんがご容赦ください。もし見つけたら教えて頂けると助かります。



2023シーズン成績まとめ

岡林選手のシーズン成績は以下の通りです。いくつかの指標はリーグの左打者の平均と比較しています。

岡林勇希 2023シーズン主要スタッツ

惜しくもOPSが.700に届かずということで、まだまだ上がり目があります。特に重視したいのは出塁率ですね。出塁率が上がってくれば1番打者として理想的な選手に近づけるのではないでしょうか。そのためにカギになるのはやはりフォアボールです。岡林選手のBB%(四球率)は6.0%と、リーグ左打者平均の7.0%を下回っています。ここが改善されればおのずと出塁率は上がってくるでしょう。

もう一つ注目したいのはWhiff%(空振り率: 空振り数/スイング数)です。岡林選手のWhiff%は12.9%と、リーグ平均の20.0%を大きくアウトパフォームする数値を叩き出しています。すなわち、リーグ屈指のコンタクト能力を示しているわけです。彼が若くからヒットメーカーとして確固たる地位を築いた要因がここにありそうです。

空振りしないけど振らない

Whiff%について深堀りしてみます。下の図は、岡林選手のゾーン別Whiff%です。リーグの左打者平均と並べて比較しています。

岡林勇希 ゾーン別Whiff%
リーグ左打者平均 ゾーン別Whiff%

一目瞭然、ほとんどのゾーンで岡林選手のWhiff%はリーグ平均を下回っていることが分かります。特にストライクゾーンはほとんど空振りをしていません。さらに、インコースについてはボールゾーン含めて異常なほどのコンタクト能力を発揮しています。

併せてゾーン別のスイング率についても比較してみましょう。

岡林勇希 ゾーン別スイング率
リーグ左打者平均 ゾーン別スイング率

ストライクゾーン全般において、岡林選手はスイング率が低い傾向にあります。一方、ボールゾーンはリーグ平均と同程度と言えそうです。コンタクト率に優れる岡林選手の場合、ストライクゾーンはもう少し積極的にスイングしていってもいいのかもしれません。

ストレートにめっぽう強い

続いて、ストレートと変化球に分けてスタッツをまとめてみました。

岡林勇希 ストレート/変化球別スタッツ

対ストレートのWhiff%がなんと7.1%と、とんでもない数値になっています。OPSも.800を超えており、ストレートに対してめっぽう強い打者と言えそうです。

また、対ストレートのBABIP(フェアゾーンに飛んだ打球のみを集計した打率で、多くの場合.300程度に収束する)が.370と異常な値になっています。これをただ運が良いと片づけてしまって良いのかは一考の余地があります。長打率がリーグ平均に比べてある程度高いので、強い打球が多かったことが高いBABIPにつながったのかもしれません。また、イチローさんや大島選手のように、ヒットゾーンに打球を運ぶのが上手かったという可能性も考えられます。

一方で、変化球への対応は課題かもしれません。Whiff%はリーグ平均を大きく下回るものの、長打率やOPSはリーグ平均程度と少しもの足りない数値です。

課題は対左投手?

最後は対左右別の成績についてです。

岡林勇希 対左右別スタッツ

右投手に対しては全てのスタッツで高水準の結果を残しているのに対し、左投手は少し苦手にしているようです。特徴だったWhiff%の低さも、対左に絞ると悪化してしまいます。(それでもリーグ平均より低いので十分凄いですが)まあ左投手を苦手にする左打者は多いのでしょうがないと言えばしょうがないのですが、1番打者として大成するためには改善しておいた方が良い課題というのは間違いないでしょう。

まとめ

ここまでご覧頂きありがとうございました。
岡林選手の2023シーズンまとめは、

  • Whiff%が異常に低い

  • スイング率自体も低いのでゾーン内はもう少し積極的に振ってもいいかも?

  • ストレートにはめっぽう強い

  • 変化球への対応と対左投手が課題

という感じでした。

2024年は背番号も変わり、いよいよ主力として打線を引っ張っていく立場になっていく選手だと思います。個人的には首位打者獲ってくれたら嬉しいな~と思ってます!

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