さくらんぼさん 序


 自伝小説『さくらんぼさん』 リニューアル版のボツネタです……


 ――この地球のどこかの大陸には、定期的に地表を野火が襲ってくるところがあるという。
 その時に、その植物は自らの種子を地表へと産み落として命を終える。

 北海道の鮭は、川をのぼり卵に精子をふきかけて、そのすぐ後に命を終える。
 受精卵が出来上がった後の鮭には、生きる意味が無いのだという。

 介護施設に実習に行った時のこと、介助とは決してほどこしではない、認知症は病気なのだと、高齢者の側に寄り添う職員を見ていて、人間の一生はどうあるべきなのかを考えた。

 私達の脳内にある『愛』という機能、生存のための『排他』や『差別』という機能を両天秤にかけて、時より想像するのです。
 核戦争後の野戦病院で、被爆者に温かいスープをのませている7歳の女の子の姿を……。


 ――この地球は、今日もどこかで戦争をやっています。
 世界の人口はもうすぐ80億人になる。
 死んでいく人間。何もわからない子どもたち、
 生まれてくる子どもたちに、

 私達は、何を教えればいいのでしょうか?


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