さくらんぼさん 1


 ――大学に通っていた時、こんなにも頭の変な女がいるんだと思い知った。

 その女は、ずっと出張続きで会社が嫌になって辞めて、大学に通おうと考えたと言っていた。
 あたしはいろいろと考えて、職場の人達は、その女を避けていたのだと思っている。
 あたしには、その理由がはっきりと分かったのだ。

 あの性格じゃ、誰でも嫌になる……。

 その女は、頭の中が園児のままだった。
 何かにつけて必ず人を頼る。
 頼ることが当たり前だと思っている。
 お前のものは俺のもの、俺のものも俺のもの。……という典型的な性格だから。
 はっきり言えば異常である。
 園児がその性格だったら可愛いのだけれど、ある程度、歳をとってではダメだ。
 ついでに、本人は全く気がついていない。とんちんかんだった。

 男の気をひくために平気で肌を露出していた。
 びっくりした。

 例えると、まるで、がん細胞のような存在だと思った。
 がん細胞は、周囲の細胞を食って生きている。それしか手段が無いからだ。
 もはや、当人にも止められない。
 幼い頃の安住しすぎた家庭環境や、第二次成長期の頃の飼い犬のように育てられた結果、反抗期を過ごすことなく成長してしまった末路である。

 両親から痛めつけられる虐待もあるけれど、このケースは有名人の二世タレントとか、二世の政治家のような人達と同じである。
 わんこ蕎麦の早食いみたいな、チヤホヤされ続けることによる精神的虐待。アダルトのマニアックなプレイみたい? に……。


 結局、どいつもこいつもさ、あたしが気にしていることをさ、ぬけぬけとしゃべりまくってからに……


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