★極道学園(451)

太田がまたレース場で転倒し、海上病院に入院した。さっそく酒を持って見舞いに行く。RZ250で練習走行をしていて右コーナーを曲がるとき、滑ってしまったようだ。タイヤに何か不具合があったのかもしれない。全身打撲、右足複雑骨折でしばらくは松葉杖生活だ。当面、赤坂が組長代行をやることになった。

太田はかなり落ち込んでいるのではないかと思っていたが個室でビールを飲みながらタコ焼きを食べ、サンドイッチマンの漫才をビデオで見ながらゲラゲラ笑っていたので安心した。(笑)

右コーナーをもっと速く曲がる方法を研究中で、いつもより若干バイクを倒す角度を深くしたことも転倒の原因らしい。現在RZ250のレースで9連勝なんだが、王者の座を守るのは本当に大変なんだな、と感じた。

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俺たちはたくさんのバイクを所有しているが一番人気はホンダのCB400SFだ。いま10台ある。リミッターが付いていて最大180キロぐらいしかスピードが出ないのだが、排気量が400ccあるので長距離ツーリングが楽だし、市内を走る時も低速の安定感があるので走りやすい。全国のバイク教習所がこのバイクを教習車として選んだ理由は非常によく理解できる。

うちの組員たちは若い頃、カワサキなどに乗り目玉を三角にして爆走していた連中が大半だ。しかしいまやカワサキの速いバイクはガキのおもちゃ、みたいにみんな思っているんじゃないかな。要はみんな、年寄りになったのである。(笑)

CB1100も二台ある。これまた優れたバイクで、かなりの重量であるのに関わらず取り回しがとても楽である。ちょっとアクセルをフカすと数秒で200キロに達する。

ホンダのバイクは優等生と言われ、一部のマニアから敬遠される向きもあるが俺はいろんなバイクに乗った結果、やはりホンダは一番だな、と思わざるを得ない。カワサキ、YAMAHA、スズキ、みんな良いメーカーだが、ホンダの優位は長年変わっていないと思う。これは本田宗一郎のDNAだ。人間としての本田は死んだが、彼のスピリットは死んでいない。後輩エンジニアたちがちゃんと受け継いでいる。

ずいぶん前に生産中止になったがCB750も名車だったなあ。パワー、加速力十分で、峠道を走るのが楽しかった。

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