★知能研究者(14)
想像力は知能ですか?
僕は筒井康隆が大好きで彼のSF小説を頻繁に読みました。今でも強烈に記憶しているのは「定年食」という作品です。
人類が食糧危機になり、大人は60歳になると家族に食べられる、というルールが一般化されます。あるサラリーマンが定年を迎えた夜、世の定めに従い家族に食べられます。その描写がかなりグロテスクなので心臓の弱い人は読まないほうがいいと思います。
将来、人類が食糧危機になったらどうするか?この問いに対して筒井康隆は想像力をフルに働かせて答えを出したのです。
このような想像力、人間には必要ですか?普通の暮らしをするうえで必須の能力ですか?
僕はあえて、否、と答えたいと思います。
しかしながらその想像力がたくさんの小説、映画、音楽などの芸術を生み出し、あるときは人間を励まし、あるときは人間に貴重な気付きを与えてきたのです。
僕は、想像力というのは、人生を豊かに過ごすための調味料みたいなものかな、と思っています。一般的な暮らしをするうえで必須の知能ではない。しかし、その能力は他者を幸せにする可能性がある。そのように思っています。
(つづく)
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