★極道学園(372)

夏目漱石の「草枕」には難解な、聞いたこともない漢語がたくさん出てくるため三回読んでも意味が分からない部分がたくさんある。しかし諦めずに再読を繰り返している。

ルチ先生は二回読んだらちゃんと意味が分かったそうだ。インド人なのになあ。なんだか悔しい。(笑)

彼女は森鴎外も熱心に読んでいるため漢語に詳しいのだ。

草枕には那美という不思議な女性が出てくる。夜中に主人公の部屋の近くを歩き回ったり、主人公が入浴しているといきなり浴室に裸で入ってきたりする。近隣の人々は彼女を狂人扱いしている。

主人公(画家)は那美の顔を見て「美しく、魅力的だが何かが足りない」と感じる。そして、何が足りないか分かったところでこの短い小説は終わる。相変わらず見事な作品だ。

この作品は漱石が芸術というものをどのように考えていたかが分かる貴重な資料とも言える。

okaman湖の近くに亀牧場を作ることにした。海亀の肉、卵はたいへん美味である。大学が開発した亀専用の催淫剤を用いたところ、雌雄発情して入り乱れ、狂ったように交尾をしたのであっという間に亀が増えた。

中でも亀太郎という直径1.5メーターの巨亀は催淫剤を使わなくても朝昼晩、狂ったように女子亀と交わっている。凄まじい精力である。亀牧場の小亀の八割は亀太郎の子供だ。(笑)

海亀は何でも食べるが肉類を与えないというのが食用で使うときのコツである。肉をたくさん食べた亀は臭くなる。よって餌は海藻類がよろしい。

本来海亀は保護対象の生物であり、養殖するには国の許可が必要なのだがまつえ知事が難無く処理した。屋台でさっそく肉、卵を提供したところ大人気である。青空食堂に行けばいつでも新鮮な亀肉を食べることができる。

ところで話題は変わり、日本酒のことだが、青空食堂で最近の一番人気、雪の茅舎について説明しよう。

【茅舎(ぼうしゃ)とは、かやぶきの屋根を持つ家のことで、「雪の茅舎」とはかやぶき屋根の家々が雪におおわれた秋田の冬景色を意味しています。

雪解け水のように純粋で清らかな味わいの「雪の茅舎」の日本酒は、一度味わえば日本酒の概念が覆る美味しさです】

この日本酒は組員たちにもたいへん評判がよく、ポン社長も絶賛していた。慶子も最近はこの酒ばかり飲んでいる。ふだんは一合しか日本酒を飲まない彼女が、雪の茅舎に限っては二合飲むのだ。

慶子は船内スナックへの出勤回数を減らし、またグループホーム中心に仕事をしている。スナックはマユミ、ルカに任せておけば何ら問題ないのである。我々のグループホームは近年、重要度が増している。組員の家族、組員自身のため、大切な施設になった。

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