★知能研究者(13)

夏目漱石の「坊っちゃん」には清(きよ)という使用人が出てきます。坊っちゃんは彼女のことを「無学な女」と説明しています。

無学って、なんでしょう?大学に行っていないということ?

おそらくこれは、教養がない、ということではないでしょうか。

手元の辞書において教養は【学問・知識を(一定の文化理想のもとに)しっかり身につけることによって養われる、心の豊かさ】と説明されています。なかなか魅力的な説明です。

英語では

culture
refinement
education

いくつかの単語が用意されています。

「教養がある」というのは

cultured
refined
educated

「教養がない」は、

a person without any culture 

あるいは

uncultured

uneducated

「教養を身につける」は

improve oneself

「教養を高める」は、

raise one's cultural level

「教養を豊かにする」は

enrich one's education mind

なお、refinementは

【洗練、上品、教養】

という意味です。

教養とは、各自の知能のあり方を説明する単語なのかもしれませんね。

教養のあるなしは、個人の意志が全てを決めると思います。教養を身に付けたいと強く願えば一生懸命勉強するわけですし。

さて、坊っちゃんは教養のない清を深く愛し、松山の学校をさっさと辞めて東京に戻り清と同居します。日本文学史においては筆頭の教養人とも言える夏目漱石が、清のような無学な女をすごく尊重する小説を書いたということに、あなたはどんな意味を感じますか。

僕は、人類愛、隣人愛、家族愛、同胞愛というのは家の主人であり、知能はその家に住む下僕だ、と思いました。

(つづく)


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