★知能研究者(17)


僕はYouTubeで落語とか漫才を見るのが大好きなんですが、最も好きなのはサンドイッチマンです。タモリも好きですね。うっちゃん、なんちゃんのコントも好きです。

誰かを笑わせるというのはけっこうハイレベルな知能ではないでしょうか。

サンドイッチマンの「旅館」という作品がありますが、冒頭で女将役の冨澤さんがお客さん役の伊達さんに向かって「この度は宿泊していただきありがとうございました」と言い、長々と丁重なお別れの挨拶をするんです。

黙って、しかめ面をしてそれを聞いていた伊達さんは、やっと女将の長い口上が終わると「いま来たんだよ」と言うんですよね。これで場内は大爆笑です。

いま来たばかりのお客さんに宿泊してくれたお礼を言うというのは実際にはあり得ない話ですが、サンドイッチマンの芸はそれらの固定観念、一般常識的な事柄を次々破壊する。この破壊活動が彼らの一番の魅力じゃないですか。

冨澤さんの「ちょっとなに言ってるのか分からない」という返しも、実際に接客業をやっている人々がお客さんに対して決して言えない言葉、いわば禁句です。それを易々と言ってしまう冨澤さんを見て僕たちはちょっと解放感を覚えるのだと思います。

タモリの芸もなかなか面白い。「徹子の部屋」で披露した「いろんな国の言葉でサッカー中継をする」というのは名人芸ですね。言ってる内容はメチャクチャなんですが、いかにもロシア人が、あるいは韓国人がしゃべっているように聞こえます。これはタモリの、【各国文化の肝を正確に捉えて模倣する】という高度な知能を示していると思います。

芸能界で長らく活躍しているお笑い芸人さんはタモリしかり、ビートたけし、しかり。みなさん、素晴らしい知能を持った芸人さんたちだと思います。

(つづく)

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