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2024年奥多摩夏合宿 記録1

 朝の珊瑚荘の風景は、普段の日常とはガラッと変わり、美しい自然に包まれた厳かな雰囲気と共に始まる。一番初めに吸い込む空気は、いくら吸い込んでも少しも不快感を感じない。これこそ、自然から吐き出されて間もない、この世で最も新鮮な空気なのである。

こうした些細な大自然のシルエットが、合宿中では日常的な光景となる。

 私は夏合宿の前準備のため、前日から滞在している。今日は先生方や生徒数人が合流してくる。午前中に用事があった私は、すこしばかり珊瑚荘を後にしたのち、用事を済ませて、合流した前田先生と共に、合宿のための食糧や備品を買い込んだ。

カゴ4つが埋まるほどの食材。これが合宿中のメンバーの腹を満たすのである。期間中に足りなくなれば、都度買い出しに出かける。

 珊瑚荘では、すでに大澤先生と二人の参加メンバーが準備をしている。大澤先生は、すでに何年もこの合宿に携わってきたスペシャリストであり、本合宿に欠かせない先生である。そして遠く神戸よりはるばる訪れた二人組も、手伝いにいそしんでいた。

 そうしているうちに、すでに陽は沈み、影が徐々にあたりを包み始めていた。明日からはさらに合宿参加メンバーや松永先生も合流し、本格的に合宿がスタートする。毎年行われる、しかし一つとして同じものはない夏合宿。今年はどんな学びや経験、思い出を紡いでくれるのか。そんなとめどない楽しみと緊張を胸に、我々は静かな夜に目を閉じる。

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