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161DAY ‐凄く気になった小説だったので紹介してみた(劉慈欣「三体」Ⅲ)

 全世界2900万部を売り上げ、日本国内でも47万部を記録、ローカス賞SF長編部門を受賞し、アジアの作品としては初のヒューゴー賞を受賞した本作「三体」は、ある一人の女性によって送信された電波によって地球外生命体の侵略にさらされようとする地球人の行く末を描くSF大作である。Netflixでドラマ化も決定し、いまや全世界のSF小説界を牽引する存在である。

 1967年、天体物理学者の葉文潔(イェ・ウェンジェ)は、文化大革命の糾弾集会の最中父を惨殺される姿を見、人類に絶望する。「地球文明を立て直すには外部の力を借りるほかない。」そう考えた彼女は、偶然スカウトされた巨大なパラボラアンテナを有する軍事基地から宇宙に向かってある電波を発信する。そのメッセージを受信したのが、高度な技術を有した地球外文明「三体文明」だった。三つの恒星を有するゆえに母惑星が過酷な環境にさらされている彼らは、新天地たる地球を目指し、強大な侵略宇宙艦隊及び艦隊が到着する4世紀の間に地球文明が飛躍的な進歩を遂げることを阻害すべく強力な量子コンピューター「智子(ソフォン)」を地球に送り出した。一方地球側も、人類の中から数人人間を選び出し、地球を救ってくれる案を選んだ人間個人の脳内で考えだし、「智子」の観察が及ばないように「三体艦隊」の侵略を阻止する作戦を練りだす計画「面壁計画(ウォール・フェイサー・プロジェクト)」を立案、実行に移しつつあった……。

 自分も全部読みました。まず読みごたえが凄い!400ページある一冊が、「三体」「黒暗森林」「死神永生」の三部作計五冊にわたって続いており、じっくり読めばひと月は読む本に困らないと思います。さらにSF好きにはたまらないその設定も魅力です。地球外文明の侵略、そしてそれを撃退する人類、この設定でもワクワクが止まりませんが、最後まで読めばそんな初期設定など吹き飛ぶようなこの小説の創造性が待ち受けています。
 小説の全冊の総額は10000円以上と少ししますが、その価値は十二分にあると思います。ぜひ読んでみてください。

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