見出し画像

機械設計ができない機械設計士

僕は関西の中小企業メーカーで機械設計士として働いているアラサーサラーリマンです。

普段Twitterブログでも情報発信をしています。

情報発信もしていて他人から見ると自分の仕事に自信があるように見えるかもしれません。

しかし実は大きな不安があります。

現役機械設計者の不安

年収が低い、職場の人間関係が悪い、彼女ができない…といった悩みではありません笑

僕の1番の悩みは「機械設計をやっていない」という悩みです。

えっ待って、機械設計者が機械設計の仕事をやっていないってどうゆうこと⁇と思われた方もいると思います。

だって看護師さんは病気の人の介護をするし保育士さんは子供達の保育をします。

機械設計士だったら機械設計をやっているんだよね?って思うのが普通です。

だけど僕は機械設計をやっていないんです。

僕は機械メーカーの機械設計部という部署で働いています。

部署でのポジションを機械設計者というポジションを与えられパソコンの中には2次元CADも3次元CADも入っている。

おまけに机の周りには機械設計の本がズラリと並ぶ。

誰がどう見ても機械設計の仕事をしているように見えますよね?

しかし内情は機械設計の仕事はほとんどしていないんです。

機械設計者の普段の仕事

じゃあ僕は普段何の仕事をしているのか。

もちろん仕事をサボっているわけではありません。

毎日職場に行き、顧客の無茶な要求にも応え、心がしんどくなるほど残業もします、

100時間近く残業した時もあります。

その時の経験はこちらに詳しく書いています。

真面目に働いてる僕は機械設計の仕事をほとんどせず以下の業務をしています。

・書類作成
・会議
・メールチェック
・機械の検査
・定期点検
・オーバーホール

この中で機械の点検やオーバーホールは当然お客様のところにいかないといけないため、日本全国を飛び回る必要があります。(うちの会社は営業所がないため)

こういった仕事ばかりやっているので機械設計をする時間がありません。

ここで1つ疑問を持った方もいると思います。

メーカーでは誰が機械設計をやっているの?

じゃあ機械設計の仕事ってメーカーの中で誰がやっているの?

実は誰もやっていないのです。

機械メーカーでも産業用の機械を扱っている場合、実は技術としては20〜30年前から技術が確立しておりそこから大きな進歩がない機械は案外多いです。

見た目上は大きな進化はあります。

外観はカッコよくなり、押しボタンはタッチパネルに置き換わりスタイリッシュになりました。

素人から見ればめっちゃ進歩してるように見えるでしょう。

しかし機械の構造、基本原理としては進化していないのです。

もう既に確立された技術と言っていいでしょう。

そうなった時、機械設計者は不要になります。

新しく設計をする必要がないからです。

そんな技術も確立され、メーカーとして成熟期を迎えた会社になぜ僕のような機械設計者がいるのでしょうか?

メーカー機械設計者の役割

役割としては2つあります。

1つは機械のことに詳しい技術者がメーカーには絶対に必要だからです。

既にお客様に納めている機械のトラブル対応や年次点検、古くなった機械の改造。

こういった仕事が年間かなり件数あります。この仕事は図面が読めて描ける人でないとできないことが多いです。

そのため機械設計士を会社は抱えるのです。

もう1つの役割は新規機械導入時の担当です。

新規の機械導入は家電を買うのとは訳が違います。

お客様の工場レイアウトに合わせて機械を設置し、ラインであれば他の機械との繋ぎを考えないといけません。

こうした仕事も機械のことに詳しく、図面を描ける人でないと務まりません。

特別難しいことではありませんがこの仕事も産業機械メーカーの設計者の仕事です。

このように機械設計者の能力である図面が読めて描けるスキルが会社内で必要なため機械メーカーは機械設計者を抱えます。

しかし実は機械設計の仕事はほとんどやらないことが多いのが実態なのです。

機械設計者として働くためにメーカーに入社したのに実際は機械設計の仕事をしていない。

入社した当時は会社の仕組みや人間関係に慣れるのに必死でした。

入社してから1年経つと外回りをするようになり、全国を飛び回り機械のトラブル対応や工事をやってきた。

3年目、4年目は新規の機械の導入を行い1人で1億円以上の機械を導入した。

そして2021年で機械設計者として働いて5年目を迎える。

僕は機械設計士だけど機械設計をやっていない。

さぁこれからどうしていこう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?