サウナに行こう
とても久しく文章というものを書いてみる。
noteについては本当に存在を忘れていました、ただ、僕のnoteを見ているという奇人、いや奇跡の人がいまして、リクエストをされましたのでご要望にお答えすべく筆を走らせております。
かといって女装について思いを巡らせるとロクデモナイ文章が出来てしまうので、文豪リハビリも兼ねて今回は趣味、サウナの話。
サウナというのはとてもいいです。友達とサウナに入りに行きますが、何よりも「ととのう」という感覚が合法的にトリップできるためすべてのメンヘラに真似してほしいと思っています。(僕はサウナに行き始めてからメンタルのお薬を飲む回数が減りました、マジで。)
「ととのう」という感覚、馬鹿じゃねえかと最初は思っていましたが連れて行かれて分からせられました。やっばい、あれ。生意気な女の子にブチ切れて理解させるおじさんとサウナは一緒です。
僕が普段愛用するサウナはウェルビー今池、栄にもあるし名駅にもあるしなんなら福岡にもあるサウナ好きにはおなじみウェルビーの今池店です。
お客が来ることを文字通り首をながーーーーーーくして待っているキリンの逆に怖いオブジェが目印の駐車場に車を止めていざ店内。今池店は名古屋でこれも一周回っておなじみのキャバレー花園の向かい側にあります。この時期にあの店からでっかい声聞こえてくるからある意味ぞっとするんだよな。
スーパー銭湯と大きく違うのは「備品、客層、サウナの質」。この3つが格段に違います。値段もその分高いけど。
受付を済ませた後に一番驚くのは、弱ロッカーと強ロッカーがあるところ。弱ロッカーは一張羅から館内着に着替えるところ、強ロッカーは館内着を脱いで一糸まとわぬ姿でサウナに突入するところです。弱ロッカーと強ロッカーの概念を知らなかった僕は全裸でマスクをしたキングオブ不審者のスタイルで館内を徘徊していたのであの瞬間だけは危険人物になりうるところでした。あぶない。
かけ湯で体を流した後はいざサウナ。サウナも感染症対策のため入る人数が一応決まっています。譲り合って使おうね。
サウナはおよそ100℃の高温サウナ。
とっても熱そうに見えてきますが以外とイケます。12分で一周するサウナでしか見たことない時計とばちくそににらめっこをして耐える時間です。
テレビももちろんあるので時間はあっという間にすぎる....と思っていました、最初は。5分を過ぎた頃には、
1分なっげーーーーーー!!!!!!!!!!!!!
以上が感想です。
10分くらいたったでしょうか、汗もだらだらだらとかき、体じゅうがスプラッシュマウンテンになった所で飛び出し。
速攻の掛水。冷たい!そのあと友達に誘われるがままに爪先からゆっくりと!そして勢いよく!16.5℃の冷水に浸かると変な声がアアアーーーーと出てしまいます。イってるんですか?
水風呂初心者というのは使ったら冷たさに耐えかねて即上がりをしてしましますが、サウナ愛好家は10分サウナに入ったら大体2分くらいは水風呂にはいるらしい。サイコパスかよ。
さすがに1分くらいでギブアップしてしまいましたが、体への変化がすごい。暖かい。水風呂でガチガチに締め上げたのに暖かい。そして食道あたりが冷気でスーっと通り抜ける。脳がバグっちゃう。
どうやらサウナでバチバチに体を温めると芯からあったまるため、水風呂で冷やしても暖かい感触になるんだそうで。
「ととのう」の真髄はだがしかし、熱くなったり冷たくなったりすることではなく、外で休憩する行為、いわゆる外気浴が肝らしい!
どういうことやと思いつつ、水気をタオルで拭いていく。ちなみにタオルは使いたい放題。冷たいお茶も飲み放題。サウナに入るときはサウナ用のパンツと座布団もあって使いたい放題。スーパー銭湯との格の違いを備品で見せつける。
さて外気浴。プールサイドによくある、あのプラスチック椅子にお湯をかけて軽洗いをしたあと腰掛ける。ここでのポイントは何も考えないこと。ぼーっとすること。そうするとおのずと顔は半目の口は半開き、半笑い。どう見ても薬物中毒者の表情で心臓は高鳴りを始める。
ドックン。ドックン。ドックン。
心臓ってこんなにバクバクするものかと実感をする。中2、初恋、初告白のドキドキが心臓の異常なバクバクのみ再現される。
そして本当にぼーっとしてきて意識があるか、ないかの状態がいわゆる、
「ととのう」
ととのうという行為は、本当に医学的にいいらしく(ソースはどっかで聞いただけだからないよごめんにゃ!)、サウナで広げた血管が水風呂で急激に収縮することにより、交感神経と副交換神経が刺激される。
100℃と16℃の極端なはざまで、36℃の体と脳は、いわゆる「飛ぶ」のだ。
外気浴の目安は10分〜15分。
この1連が1セット。
サウナ10分→水風呂2分→外気浴15分。吉見、浅尾、岩瀬を彷彿とする黄金リレー。
僕が最初に分からせられた日の2セット目はもっと驚愕だった。
ロウリュだった。
ロウリュとは熱せられたサウナストーンに、アロマウォーターを注いで水蒸気を発生させ、急激に体感温度を上昇させることをサウナ発祥の地フィンランドでは「ロウリュ」と呼び「森の神が宿る」と言われています。と、細かすぎて伝わらないモノマネで博多華丸が言っていた。そしてロウリュの準備をしている店員さんも言っていた。
このロウリュがとにかくバカ熱、激アツ。
サウナを賑やかにするテレビを一旦消し、静まり返った中で店員さん、この場所では熱波師と呼ぶらしい、熱波師がアロマウォーターを手元に持っている柄杓で混ぜ始める。なぜ混ぜるんだ。
焼き石にアロマウォーターが注がれるとジュワッと音がし、サウナ内の空気が一気に変わる。熱波師が森の神の話をしながらデカイタオルを振り回し、熱気を全体に伝えていく。
肌は体感温度が上がっているため、じんじんと熱が通る。肩、二の腕を覗くと今まで見たことのない球汗がボロボロと降りしきる。
熱波師はいたずらっぽくアロマウォーターを柄杓でまた混ぜる。
掬う。そして桶にゆっくりと戻す。掬う。そして桶に戻す。
掬う。まだ桶にゆっくりと戻す。
もどかしい!早く焼け石にアロマウォーターを入れてくれ!と思いつつおそらくドSの熱波師は漸く、二度目のアロマウォーターを焼き石に丁寧に注いでいく。
汗が吹き出る。体が干からびてしまうんじゃないか。
熱波師のいたずらはあと数回続いたが、十分なアロマの香りに包まれたサウナルームの中で、熱波師は手持ちのタオルを使って、一人一人個別に風を送り始めた。
激アツ。同じ温度とは思えない。
湿気が天元突破した100℃の中で、熱湯に近い波を体全体で受け止め、そして、苦悶の表情を浮かべたおじさんたちは後ろをむいて背中に風を受けたり、腕をあげて脇に熱波をダイレクトアタックさせたり、思い思いのロウリュを満喫した。僕も満喫した。
汗だくベチャベチャ、ほぼ水の自分は掛水を一気に浴びて水風呂に溶け込むと一気に意識が遠のいた様な、気がした。
その意識は外気に体を晒した時にはフィンランドに赴いていた。
ロウリュのときはあまり感じなかったが、アロマの香りは確かに最高で、木の匂いと相まって本格的にフィンランドだった。フィンランド知らんけど。
心臓もこれ以上なく動き、鼓動を感じ、自分がきちんと生きていることに気づかされた。
サウナの質ってなんだろうって思うけど、ウェルビーのサウナはフィンランドを煮詰めてジャムにした様なフィンランドっぷりだったので、言葉にできない差が家から近くの銭湯とはあるんだなと思った。
サウナ愛好家に言わせれば3セットで「ととのう」らしい。
僕は1セットからととのっているつもりだったので、サウナの神さまによるアガペーだったんだと思う。
3セットをこなした後には給油をする。
オロポという飲み物があって。オロナミンCとポカリでオロポというらしい。これがグイグイと喉を通っていく。気づいたら完飲。
個人的には、ビールと流し込むのも嫌いではないけど、オロポが健康的に生きているというナルシズムを演出してるので、とても好きである。
どうでもいいが味は「ビタミン炭酸マッチ」とほとんど同じである。オロポよりコスパはいいのでスパ銭でサウナしたときはこれで満足する。
1セットが30分弱で3回、体を洗ったりオロポを飲んだりしていると余裕で2時間ほど経っている。
客層はおじさんばかりだが、落ち着いてサウナを楽しんでいる。直で水風呂に入ったり、潜ったりする下品な人は少ないし、子供はまず見ないからダッシュした子供が足を滑らかして突っ込まれるお子様ミサイルも無くて助かる。
ウェルビーでは以上の体験を持っておよそ2千円ほど。
もう少しゆっくりしたり、ご飯とか食べちゃって大体3千円くらい。
心の洗濯と考えればとても安い気がしてきた。スパ銭と値段は比べてはいけない。
ウェルビー栄も、繁華街の中に存在するオアシスとして存在感が強い。特色もあってこちらも有名。
急に栄か今池あたりで2時間くらい時間ができちゃった時、行ってみると面白いかもしれません。
何卒。
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