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麻雀を教わる時の "ためになる" 質問3選
はじめに
先日、麻雀を教える際の悩みについてまとめた。
麻雀を教えるということ(新米講師の悩み3選)|どら (note.com)
読んでいただき、本当にありがとうございます。
最近時、とある人から「どう質問したらよいか分からない」という質問を受けた。
今回は、麻雀を教わる時の "ためになる" 質問について記述する。
質問した人だけでなく、質問された人も "ためになる" 質問を3つ取り上げてみた。
麻雀を学ぶ人(今回は生徒側と呼称)が講師に対してどのような質問をすればよいか、一つの参考になると嬉しい。
![](https://assets.st-note.com/img/1688046846178-aHSRFrBsdT.png)
① 打●●とすると、○○という利点があるが?
この質問はとても建設的で、議論を深めることができる点で "ためになる" 質問である。
麻雀とは打牌候補の比較を行い続けるゲームである。
生徒側はこの質問を行うと、下記を講師側に示すことができる。
打牌候補として打●●があると認識していること
打●●の利点を○○と理解していること
講師側はこの質問を受けたら、下記のような回答を行う必要がある。
打牌候補として打●●が挙がるのは正しいか
→ 1.への回答打●●の利点は○○で正しいか
→ 2.への回答講師側が提示した打牌と比較して、打●●よりも優れている点はどこか
→ 1. と 2. がいずれも正しい場合、生徒が聞きたい回答
このように、生徒の理解が一つ一つ正しいかどうか整理しながら、疑問の解消を行うことができ、建設的である。
例を挙げておこう。
![](https://assets.st-note.com/img/1688173026426-HsVzZAPRON.png?width=800)
<質問>
打5mとすると、123の三色を狙えるという利点があるが?
<回答例>
打牌候補として打5mが挙がることは正しい。
打5mの利点として、123の三色になる可能性があることも正しい。
ただし、手牌価値より打1mで良いと考える。
現時点でドラがr5pあり、ドラ7mも使用するとなると、ドラ2枚で打点的価値は十分。
ターツは 89m, 13s, 79s といずれも愚形だらけのため、5m絡みでリャンメン等の良形を作ることで、速度的価値を上げたい。
有効受け入れ枚数の違いは、
・打1m(5m残し):14枚 → 3456mの4種を受ける。46mで良形完成。
・打5m(1m残し):11枚 → 123mの3種を受ける。23mで三色変化。
1mを残して、123三色のために最も嬉しい 2m or 3m をツモってきたとしても、完成するのは愚形ターツであって、ノーヘッドにつきヘッド次第で123三色が崩れてしまう。
したがって、打1mとしたい。
② この書籍を引用すると、打●●の方が良いと考えるが?
生徒・講師双方が書籍の情報を再確認することで、理解をより深められる点で、②の質問は「ためになる」質問だ。
この質問ができるのは、書籍情報を持つ生徒に限られる。
今回の打牌候補の比較に使える情報だと生徒側は考えて、この質問をしていると理解できる。
生徒側はこの質問を行うと、下記を講師側に示すことができる。
打牌候補として打●●があると認識していること
打●●の方が良いという理由を、書籍で説明できると考えていること
講師側はこの質問を受けたら、下記のような回答を行う必要がある。
打牌候補として打●●が挙がるのは正しいか(①と同じ)
→ 1.への回答本局面に対し、書籍の該当箇所を引用できるか
→ 2.への回答講師側が提示した打牌と比較して、打●●よりも優れている点はどこか(①と同じ)
→ 1. と 2. がいずれも正しい場合、生徒が聞きたい回答
この質問を講師側が受けた時、講師側は書籍情報を本局面に適用できるかを検討することになる。
一例を示そう。
生徒から下記状況について質問を受けた。
<質問>
下家からリーチが入っている。
打牌候補として4sワンチャンスの打3sと4s筋の打7sがあるが、麻雀の2択(みーにん・梶本琢程 著)P19・P20を引用すると、4sの筋である打7sがより安全ではないか。
![](https://assets.st-note.com/img/1688178000239-QdnTbBl6GX.png?width=800)
【情報1】
麻雀の2択(みーにん・梶本琢程 著)P19・P20には、下記のような河で他家からリーチを受けた状態では、ワンチャンスの3pよりもスジの3sの方が安全であることが記載されている。
![](https://assets.st-note.com/img/1688175163270-QoepDDePmV.png?width=800)
上記の情報だけを引用すると、ワンチャンス3pよりスジ3sを切ることが正しそうに見える。
※厳密には、自分にだけ見えるワンチャンスと、誰からでも見えるワンチャンスは異なる。
ところが、
【情報2】
同書P21・P22には、下記のような河で他家からリーチを受けた状態では、スジの3sよりもリーチ前に切られている牌の外側の3pの方が安全であることが記載されている。
![](https://assets.st-note.com/img/1688175725263-y6JxrsKsh2.png?width=800)
つまり、生徒が提示した【情報1】ではなく、【情報2】を引用すれば、問題図はリーチ前に切られている3pの外側の打2pの方が安全だとわかる。
講師は局面に合った情報を用いて回答する必要がある。
![](https://assets.st-note.com/img/1688178322300-iEN1i4XFhw.png?width=800)
そもそも、この質問は生徒側が書籍情報を持っていないと成り立たないため、このような質問を受けると生徒側の熱意を感じる。
講師側の勉強不足も解消できるかもしれない、良い質問だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1688053873614-Pv6SDpfLEq.png)
③ この局は自分では悪手が無いと思うが、講師目線ではどうか?
「自分では悪手が無いと思う」ということは、生徒側にとって疑問の無い一局だったということである。
つまり、生徒側は自身が考える "常識やセオリー" 通りに、本局を打てたということになる。
この質問のメリットは、「生徒側が考える "常識やセオリー"が誤っている可能性を発見できるかもしれない」という所にある。
生徒自身が気づいていない誤りや勘違いを正せる、そういう機会を得られる点で "ためになる" 質問である。
講師側は1巡目から終局まで粗探しを行うことになる…!
1打1打が本当に正しいかどうか改めて丁寧に比較を行うこと、地味ではあるが講師のトレーニングになると考える。
番外1:Aさんから、こっちが良いと聞いたのだが
この質問は良い質問であり、悪い質問でもある。
生徒側が "こっちが良い理由" を答えられなければ、Aさんから教わったことが活かされていないということになる。
生徒側が改めて学び直せるという点で、良い質問である。
何度も忘れて覚えてを繰り返して、強くなっていけたらよいのだ。
(忘却曲線がイメージとして近いかもしれない。)
講師側としても、Aさんが良いというのであれば….と再考する機会を得られるだろう。
番外2:素人質問で恐縮ですが
止めてくれ その術はオレに効く
おわりに
本稿では、生徒側だけではなく、講師側にとっても "ためになる" 質問を取り上げた。
本稿を読み、質問する勇気が湧いてくれば嬉しい。
生徒も講師も間違えるのだから、自信を持って、楽しく学んでいきたい。
最後まで本稿を読んでいただき、ありがとうございました!
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