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【私の視点】新札みて、職業病発症🧑‍⚕️

2024年
日本のお札が新しくなりました。

1000円札は、野口英世から北柴里三郎に変わりましたね。


形成外科の先輩たちとご飯に行って、
お会計の時、この新千円札をみて、、、

画像:「新しい日本銀行券特設サイト」より引用
https://www.npb.go.jp/ja/n_banknote/


ひとこと

'"北柴里三郎のほくろ取りたい"

左眉のうえに1個、口周りに2個
比較的大きくて、隆起したほくろがあるのです

医師の大先輩の北里さんには、後輩たちがこんな会話をしていて申し訳ないですが💦

北里さんが発明した破傷風ワクチンには、
いつも犬咬傷の患者さんが来た時には、大変お世話になっております。
もちろん、大変な偉業を成し遂げたこと、重々承知しております。


形成外科と、ほくろについて

形成外科では、皮膚腫瘍のなかでも母斑(いわゆるほくろ)を取る機会はたくさんあります。
形成外科の医師がほくろをとるとき、取って縫うだけと思われる方も多いかもしれません。

実は切除する時には、できる限り縫合線が目立たないよう、色々なことを考えているのです。

皮膚縫合の向きを決める際に、皮膚のシワに沿って切除すると傷が目立たなくなります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjhnc/34/3/34_3_293/_pdf/-char/ja


なので、北里さんのほくろを取るとしたら
・左眉上 額のしわに沿って、横向きに切除
・右の上白唇 人中陵に沿って切除
・左の上白唇 縦でやや中央方向に向かって斜めに切除
と考えます。

北里さんは、髭も立派なので
傷跡のところは髭が生えにくくなるかもしれませんと
手術前に説明することを忘れずに。

病院でのカンファレンスでは、
傷の目立たない方向は縦だけど、ほくろが横長のとき最も議論が盛んになります。

傷は長くなってもよいから、皺に沿って縦向きに取る派
VS
傷の長さは短くしたいから、ほくろの形なりに切って縫う派

どちらもの気持ちもよく分かります。
最終的には、1番大事なのは綺麗に縫うことですね。

そして、きちんとその結果どうなったか経過を見て、必ず自分の中でフィードバックすることが大変勉強になります。
患者さんには、いつも学ばせていただいており、感謝しております。

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