開業医さだお

自己資金0。融資総額5,000万円。31歳半ばで美容クリニックを開院するドクターの開業…

開業医さだお

自己資金0。融資総額5,000万円。31歳半ばで美容クリニックを開院するドクターの開業記録。 開院のモットーは「やれることは全部やる」 開業コンサルティング会社を挟まず、事業計画書作成から医療機器の購入・チラシ・ホームページ制作まで。 突き進めるところまで突き進みます。

最近の記事

08.美容クリニックの広報・マーケティング施策

開院して早、3週間の時間が経った。 開院時にチラシを配ったこと以外、特に集客はしていないが、毎日3~4名がコンスタンスに来院するようになり幸先は悪くないと自負していた。 保険診療がないため100%自費診療であり、平均顧客単価は2万円前後。 美容皮膚科においては決して高い顧客単価ではないが、毎月どの程度のコストが掛かるかを示す「バーンレート」からすると現状月間300万は必要である。 スタッフの電話対応や院内のオペレーション・在庫管理も徐々に整ってきたためいよいよ集客・マー

    • 07.医療機器の購入と価格設定

      美容クリニックで「どんな施術をするか」はとても重要な要素だと思っている。 若者の多い街であれば「脱毛」や「美白」の需要は高く、またマダムの方が多い街であれば「しわ・たるみ」や「しみとり」の需要が高いことは容易に想像つく。 ただここで問題になるのが「価格設定」である。 一般的には各施術の薬剤コストや人件費から逆算してメニューの値段を決めるが、これがまた大変な作業であった。 例えば顔全体に薬剤を塗布してイオン導入を行う場合、「薬剤を何ml使うか」「他にどのような物品が必要か

      • 【番外編】「コロナ外来」で戦う医師の叫び

        「医者」と聞けば「高ステータス・高収入」の象徴的存在と思われがちだ。 私自身、両親はいずれも医者ではなく自営業と専業主婦の家系に生まれ、ただただ医療が好きで医学部に進んだ身であり、実際に医者になるまでは多忙ながらも華々しいドクター生活を思い描いていた。 確かに「医師免許」はある意味いろいろ潰しのきく「最強資格」であることは過言ではない。バイトを探せば時給10,000円以上の求人も沢山出てくる。ただ自分の「思っていた医師像」と「実際の医師」では大きく違っていた。 医学部を

        • 06.美容クリニックの事業計画書

          前章で内装のおおよそのデザインも決定した。 今後内装工事や各種医療機器を購入するにおいても「資金」が必要である。 そこで必要不可欠なものが「事業計画書」だ。 ・・・じぎょうけいかくしょ。 「治療計画書」や「退院計画書」は馴染み深いが恥ずかしながら「じぎょうけいかくしょ」は書いたことも見たこともなかった。 事業計画書は一言でいうと「銀行から頂いた資金を何に使って、どのように回収するかを書いた数年先までの計画書」である。 ただ5年後先の1月の電気代なんて誰も分かるはずが

        08.美容クリニックの広報・マーケティング施策

          クリニックの内装

          クリニック開業の醍醐味の一つとして「院内を好きなデザイン」にできることが挙げられる。 ・壁をこの色にしよう ・椅子はこんな感じのにしよう ・ここに雑誌を置こう この作業がまぁ楽しいこと。 大の大人がレゴ作りをしているような感覚である。 前述の通り、部屋をいくつ作ってどのような導線でお客様を案内するかを綿密にシミュレーションしながら連日、自宅近くのファミレスで打ち合わせを行った。 建築事務所やデザイナーに依頼すればきっと1週間くらいでできてしまうことだと思うが、僕らはあえて

          クリニックの内装

          05.美容クリニック開院場所の選定

          クリニックを新規開業するにあたり、開院場所を決めることは「とても重要」と言われている。 立地が良い場所であれば見込み客数も増え、いわゆる「集患」にも繋がるが一方、家賃が高い。 銀座であれば月額家賃100万を超えるテナントも多数あるが、面積もあまり広くない。 家賃が安くて、駅近で、きれいな物件。 こんな条件の物件、あってもあっという間にSOLD OUTだ。 そこで今回「譲れない条件」を3つに絞り、それに当てはまる場所とした。 (1)山手線沿いで駅徒歩2分以内 (2)築年

          05.美容クリニック開院場所の選定

          04.パートナー

          開院を決意してまず最初にとった行動は「仲間探し」だ。 私にはひとつ試してみたいことがあった。 それは「クリニック開業まですべて自分でやってみること」だ。 ビジネスにおいて一人で業務を抱え込むことはタブーであり、業務や意思決定が遅れる原因になることから一般的には分担すべきと言われている。 しかし私自身開業に至るまでのすべてのプロセス・ノウハウを勉強すると決めていた。 気づいたら内装工事が終わってて医療器具も整っていた。 あとは開業日を決定するだけ。 これでは何の面白み

          04.パートナー

          03.開業決意

          クリニックの開業を決意したのは2020年1月である。 きっかけは前述の大学病院としての勤務のこともあり、日々の業務のなか「このままではいけない」と思っていたことであった。 ただただ大学病院という大きな組織に所属する安心感・安定感のある環境から抜け出す勇気がなかなか出すことができず、悶々とした思いを片隅に週末はバイトへ行き日銭を稼ぐ、そんな日々が2年近く続いていた。 ただ収穫もあった。 偶然、知人の紹介で行った美容クリニックで施術をする中で、美容医療が楽しかったのだ。

          02.大学病院を辞めた理由

          大学病院には約4年勤務していた。 勤務時間は一般的な会社員とほとんど変わらず「8:30~18:00」で昼休みもしっかりとれる恵まれた部署であった。 ただこれは診療科によって大きく異なり、緊急手術が多い「循環器内科」や「心臓血管外科」は深夜でも呼び出されたり夜中までカルテを書き続けることは日常茶飯事だったと聞いている。 幸いにも私の部署は恵まれており、勤務時間・内容にも不満はなかったが唯一納得いかなかったのが「給与」である。 医師=高収入というイメージを持つ方も多いと思うが実

          02.大学病院を辞めた理由