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#3中村哲先生の仕事を考える〜医療支援活動を中心に〜(2023)

はじめに
ご覧いただきありがとうございます。
中村哲先生記念講座のTAを務めているS.Hです。

今回は、2023年10月18日に行われた「中村哲記念講座」の第3講のグループワークの様子や内容についてお伝えします。


1.グループワークについて


第3講から第5講は、「医療支援」、「紛争の中の現地」、「水利事業」をテーマに、3回にわたってグループワークが行われます。2-4人程度のグループに分かれ、各回のテーマについての資料を読み、議論を重ねながら、最終日のプレゼンテーションに向けて準備を進めていきます。

2.中村哲医師の「医療支援」をテーマに

今回のグループワークのテーマは、「医療支援」についてです。

事前に配布された資料は、ペシャワール会報36号44号51号56号60号で、90年代の医療支援を中心に活動していた時期の報告です。

グループの議論は、前半と後半(各30分程度)の2部構成で行いました。

≪ディスカッション1 : 中村哲医師は「何をみて何を感じ何を考えたのか」≫

まず前半は、事前資料を読んで、それぞれが印象に残った事を述べ合いました。私が担当したグループでは、中村哲医師がハンセン病による後遺症治療にどう向き合ったのかを中心に話し合いました。

グループワークの様子

「中村先生は、自分の価値観にとらわれないで、現地の考えを大事にしている。」
「先生は医者だから医者の仕事を全うするのではなく、根本的な考えを大事にしている。」

など、受講生の皆さんからは中村先生の考えが現地の人の価値観に合わせた上での行動だったのではないかという意見が多く挙がりました。

≪ディスカッション2 : ハンセン病の長老の足の手術について≫

後半は、会報51号の報告の中で「皆さんが医師だとすれば、どういう判断を下されるでしょうか」と紹介された、コーヒスタンからやってきたハンセン病の長老の足の手術のエピソードを取り上げました。中村哲医師が「何日か熟考の末、少し冒険的な賭けに出」て、「技術的に大変難しい問題のある」処置を行ったことについて、その理由を考え、意見を交わしました。私のグループは、このエピソードが印象に残っていた学生が多く、前半で話した内容からさらに深く掘り下げた議論を行いました。具体的には、「もし、日本で治療していたらどうなっていたか?」、「日本とコーヒスタンの価値観の違いについて」など、現地の人との価値観や幸せの違いに着目して考えていきました。

議論を通して中村哲医師は、自分の医師としての経験以上に現地の人のこれまでの価値観やコミュニティの存在を大事にしているように感じました。

各班の議論の紹介

最後には、各グループの議論の紹介ということで、自分たちのグループが話し合った内容について他の学生に紹介する時間が設けられました。中村先生のこれまでの取り組みを図を用いて整理したり、独自の視点から医療支援について考えている班もあり興味深かったです。

3.次回予告

今回は、グループディスカッション1回目ということで学生の皆さんも少し緊張した場面もあったかもしれませんが、どの班もよく意見が出されていたのではないかと感じました。
そして、第2回目のグループワークは、資料をもとに、2000年代に⼊ってからの⽀援活動の背景にあったアフガニスタン紛争に対して、中村哲先⽣が「何を見て何を感じ何を考えたのか」を考えます。 次回以降のグループワークでも学生の意見をよく引き出せるように私たちTAも頑張っていきます‼️

最後までお読みいただきありがとうございました。来週もよろしくお願いします。

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