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エイジング界のボス、たるみ

こんにちは、美容皮膚科の松元です🙋‍♀️
先週あいち栄クリニックの分院がオープンしてなんとなくバタバタとしていたのでまた投稿が空いてしまいました😵
前回の続きですね、たるみについてです。

これは完全に個人的な見解ですがエイジング界の影響力として
シミ<シワ<たるみだと思っています。
シミは色調の変化
シワは線を作り
たるみは形を変化させます。
エイジングサインは全てが満遍なく出てくるので一つしかないということはほとんどないのですが、シミ、シワ、たるみをそれぞれの絵で表してみます。

いかがでしょうか、形が変わるって結構年齢を感じさせると思います。
さらに現時点でたるみに対するホームケアはないので、医療の力を使うほかないところがさらにボス感を感じますね。

たるみが出てくるまで

年をとると誰しもが輪郭が四角に近づきます。
輪郭はぱっと見の印象に大きく影響しますので崩れたフェイスラインは年齢を感じさせます。
シミやシワは表皮〜真皮での変化ですが
たるみはそれに加えてもっと深く、骨〜脂肪の大きな構造の変化をあわせた全層での変化です。

各層の加齢性変化

エイジングのメカニズムとして、骨〜筋肉〜脂肪織は痩せ、真皮〜表皮は伸びることがわかっています。
大福で例えるとこう。

20代のうちはあんこはしっかりと詰まり、皮も厚くパンと張っています。
これが50代になるとあんこは少なくなり、皮は薄くなり伸びてしまいます。

中身は小さくなり、外側は伸びる。
同じような現象が顔にも起きるため皮膚の余りが生まれます。
余った皮膚は重力に勝てず垂れ下がり、靭帯という固い帯状の構造物があり、そこで堰き止められることで線が出現します。
これが法令線やマリオネットラインと言われるものです。

つまり、
①加齢性変化によってできた皮膚の余りが
②本来あるべき位置から移動し
③靭帯で堰き止められ皮膚が留まる
これがほうれい線などの線ができる3ステップです。

たるみにどう抗うか

たるみの原因は①加齢性変化でした。
骨〜表皮まで全層に及びますので、全体的な治療が必要になります。
ざっくりとまとめるとこう。

何事も基礎が大切ですが、顔の基礎、骨の痩せを改善させるためにはヒアルロン酸注入が最適です。

ヒアルロン酸注入の中でもTotal Facial Treatment(TFT)と呼ばれる治療法で、ラベールミラクリニックでメインでやっています。
TFTに関してはまた改めて解説しますが、ヒアルロン酸でピン留めをするように、弛んだ皮膚を元々あった位置に戻していきます。

顔という立体構造を3Dで改善していくので非常にナチュラルな仕上がりです。
昔の自分に戻るようなナチュラルなアンチエイジングと言えるかと思います。
ネックとなるのは必要なヒアルロン酸の量です。
顔全体のボリュームロスは容量にして何十ccにも及びますが、どれだけ効率的に入れたとしても3〜5cc程度は最低限必要で、少ないと効果は感じにくいところが最初から勧めにくいところです。
もちろん脂肪注入もボリュームロスの改善には適しています😌

土台はしっかりとできましたが、皮膚の伸びは改善されていません。
伸びた皮膚に対してはタイトニング(引き締め)も必要です。
タイトニングに有効なのはこちら。

HIFU
サーマジェン

HIFUは超音波による熱エネルギーを顔の筋膜に当てることで平面的に収縮させる治療です。
サーマジェンなどのRF治療器は高周波による熱エネルギーを、真皮〜脂肪織を立体的に収縮させる治療です。

どちらもターゲットとする層が違いますが、熱を当てて創傷治癒機転(傷を治すカラダ本来の力)を利用していることは共通しています。
治療としても有効ですし、予防としての効果もあります。
機械による施術で、半年に一度と比較的続けやすい施術かと思いますが、あくまでタイトニングであり、引き上げる治療ほどの効果はありません。

糸リフトという選択

②本来あるべき位置から移動

これを改善するためには糸リフトも有効です。
トゲのついた糸をこめかみから挿入し脂肪層に引っ掛けながら引き上げていきます。
この糸はだんだんと溶けるのですが線維芽細胞を刺激しコラーゲン増生を促すため、たるみの予防効果もあります。
ネックとしては糸は直線で引っ張るので自然に見せるためにはそれなりに本数が必要。
そして加齢性変化には脂肪〜真皮層にしかアプローチしていません。

最後の手段?フェイスリフト

どれだけやっていてもいずれ皮膚のあまりが出てきます。
そうなると最終的にはフェイスリフト手術です。
目の上なら眉下切開などもあります。
皮を剥がして引っ張って縫い付ける、何センチという皮膚の余りを一気に改善することができます

アンチエイジングは時間軸との勝負

正直にいいますが、加齢を止めることは不可能です。
何をしていても細胞レベルでいえば老化はしています。
あくまで美容医療のアンチエイジングは、構造や表面上の若作りです。
1度やったらエイジングが止まるわけでもありません。
ただし見た目のエイジングのスピードを緩めることはできます。
全てのアンチエイジング治療は時計の針を巻き戻すようなイメージです。
その時点からは巻き戻りますが、その後は周りと平等に時計の針が進みます。
少しずつ、定期的に巻き戻していくことでより美しく歳を重ねることができるのではないでしょうか。

というわけで長々とたるみのメカニズムとたるみ治療についてお話してきました。
たるみは全層の治療なので、地道に満遍なくやっていきましょうね、ということでした。
美への道のりは長いですね🥺
どこまでやるかはその人次第ですが、無理のない程度にやっていきましょう😌
綺麗になりたい全ての人を応援しています🔥

おしまい。

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