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【麻雀】その100点棒いくらで買いますか?
誰もが憧れるスーパースター多井隆晴.
以前に彼が解説でこんな発言をしていたのを耳にした.
「オーラスのトップ目の親は『4,000点差』あるかどうかが大事だから ϵ( 'Θ' )϶」
(顔文字のセンスは置いておいて)麻雀力で彼の右に出る者はいないだろう.
そんな彼の言葉を私は一ミリも疑ったことは無かった.
しかし!!
最近,YouTubeやウマ娘に没頭する隆晴の姿が,私の中に疑念を産んだ.
この男,本当に信頼していいのか?!
本Noteでは,多井隆晴が本当に信頼に値するのか,科学的に検証する.
デジタル麻雀界の始祖「角田真吾」
本検証に先立ち,オンライン麻雀「天鳳」の創設者である角田真吾様に心から感謝申し上げたい.
検証では,角田様が善意で無償提供している鳳凰卓東南戦の牌譜を100万半荘分以上使用している.
彼が無償で鳳凰卓の牌譜を無償で公開していなければ,「平和のみをリーチする人々」に人権が与えられることはなかったかもしれない.
まさに麻雀界の救世主だ.
さて,ご存知の方も多いかもしれないが,天鳳ではラス目のペナルティが非常に大きい.今回は,
① オーラス親番で4着回避争いをしている際の点差について
② オーラス親番で1着争いをしている際の点差について
の2点について考察をしていこう.
「4,000点の壁」は存在するか?
麻雀の強さと美しさを兼ね備えた女流プロ水口美香の記事にこんなものがあった.
いや美人すぎ!!!!水口しか勝たん!!!!!
かの有名な麻雀研究家みーにんさんの著書にも「ラスに転落しないためには、4000点以上の差をつけておけ」という章があるようだ.(本書は未読のため内容については不明)
少し麻雀が打てる人ならば,
① ノーテン罰符でラス落ちしない(ルールによっては4100点必要)
② 3,900点の横移動でまくられない
③ 3,900点の差し込みが可能
といった理由が思い浮かぶ通り,4,000点とは確かに分かり易い基準の一つだ.
ただし,
「リーチ棒出して,平和のみを1,000点から2,000点にするのは損だ」
という迷信が広く信じられていた通り,「正しそうに聞こえる」と「正しい」は全く別物な可能性があるのが麻雀の世界だ.
可能な限り「エビデンス」を集めようじゃないか!
まずは,「オーラス0本場の親番で3着もしくは4着」という条件に合致する牌譜から抽出した結果を見てみよう.
( ͡° ͜ʖ ͡°) < なるほど,全然分からん.
と言わずによく見て欲しい.
上の図は天鳳7段配分で,その半荘に獲得できる昇段ポイントの期待値をライバルとの点差毎に整理したものだ.
例えば,ライバルとの点差が0点(自分が同点でラス目)の時,期待値はマイナス70ptとなる.
実際には,8年間でこの局面が1940回存在していて,そのうち1195回はラス(約61 %)となっている.
天鳳では,同点の場合は起家から近い人の価値になるので,納得の結果だ.
では,「4,000点の壁」はどこに存在するだろうか.
横軸が百点単位なので,目盛りでいう40付近が該当するはずだが,壁のようなものは見当たらない.
しかし,よく目を凝らすと,所々段差のようなものがみられる.
これが「壁」の正体か?
もう少し分かり易くするために,縦軸を「点棒百点が持つ価値」という指標に置き換えてみよう.(数学的には上グラフを微分している)
こうすることで,今の点差状況において「100点がどのくらいの価値を持つか」が一目瞭然だ.
当然ながら接戦であればあるほど,点棒の価値は高い.
例えば同点のラス目の時は,昇段ptを1.5 pt払ってでも100点棒を買う価値があるということだ.
(黒川元検事長換算でいくらの価値になるかは,皆さんで計算してみてね)
そしてちょこちょこ現れる「山」のようなものは,その点差が順位を決定する上で重要な役割を持っていることを表している.
例えば,満貫横移動で逆転される「8,000点差」や,満貫ツモで逆転される「12,000点差」が重要であることは言うまでもない.
ϵ( 'Θ' )϶ < じゃあ「4,000点」は?
実は驚くべきことに,天鳳のラス回避において4,000点差はそれほど特別ではない.
期待値で考えれば,2,000点差を3,000点差にすることは,3,000点差を4,000点差にすることよりも遥かに偉い.
これは,天鳳では「オーラスは一瞬で決着がつく」という特徴によるものだ.
役牌バックから差し込みまで,何でもありな状況下では「4,000点」という条件がクリアされる可能性が数千点の点棒移動と比較してそれほど高くはないということだろう.
流局や供託を考えて,少しでも点差を離すことが有利だと言えるようだ.
( ゚д゚) < じゃあ,重要なのは何点なの?
と思う方も多いかもしれない.
上図で考えると,「500点差」が最も点棒に価値がある状態だといえる.
これは500 - 1,000の親被りに耐えられる点差だ.
そして,7,000点差付近まで,点差に応じて点棒の価値は減少していく.
つまり,ラス前の状況下では「4,000点の壁」を意識するよりも,とにかく100点でも多く点数を稼ぐことを意識すべきだ.
多井隆晴は嘘つきか?
以上議論から,「多井嘘つきじゃねーか」と結論付けるのは早計だ.
麻雀地球代表がこんな初歩的な誤解をするはずがない.
この検討は,あくまで「天鳳のラス争い」という特殊ケースに過ぎず,これを一般的な麻雀でも同じとみなすのはあまりにも危険だ.
例えば,「天鳳におけるトップ争い」を考えると,下のような結果が得られる.
先ほどとにているようだが,再び100点の価値にすると↓のようになる.
先ほどと大きく違う点として,
4,000点付近から急激に点棒の価値が減少する
という点が挙げられるだろう.
つまり,従来の麻雀の醍醐味である「トップ争い」に関して言えば,4,000点差の意味が高まりそうだ.
これが,全員がトップを目指す麻雀になるとどうなるだろうか.
横移動の決着が減っていくので,数百点差のトップ目の価値は大幅に下がるだろう.
つまり,Mリーグなどの対決において「4,000点の壁」が重要であるという点はやはり疑いはなさそうだ.
結論
多井プロ,一生ついてきます!ϵ( 'Θ' )϶
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