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腎臓の検査項目はどこを見ればよい?

こんにちは。腎臓内科医のDr.クロシバです。

前回は腎臓内科の外来では採血以上につらい検査はないので、少しでも安心して受診してくださいというお話しをさせていただきました。

しかし、その検査結果は膨大(血液と尿を合わせて100項目以上!)で、正常値も記載されていないことが多いため、印刷された結果だけ渡されてもどこを見たらよいのか分からないと思います。
ここでは外来で私が赤ペンで書き込みながら説明している時のように、見ていただく項目を3つに絞って説明していきます。
健康診断の検査にも使える解説になっておりますので、腎臓内科に通っていない方もぜひご覧ください。

①糸球体ろ過量(GFR)

正常:60以上で低下傾向がない
腎臓のゴミ処理工場としての機能を100点満点で採点した項目です。
推定糸球体ろ過量(eGFR)とクレアチニンクリアランス(CCr)もほぼ同じ意味です。
腎機能の採血項目は血清クレアチニンが最も有名ですが分かりづらいため、私はGFRで説明しています。

②尿蛋白

正常:陰性または0.0g(クレアチニン比)
腎臓病などで腎臓に負担がかかっていると出てきます。
尿蛋白が多いと腎機能が速く悪くなってしまいます。

③血尿(尿潜血)

正常:陰性または尿中赤血球1未満
腎炎(腎臓に炎症が起こる病気)の炎症が強いと多く出てきます。
尿路結石膀胱癌生理などで出ることもあります。

結果の解釈

健康診断の方腎臓内科が初診の方は、上記の3項目が全て正常なら腎臓病の心配はほぼないです。
(この記事での正常値はあえて厳しく設定しましたので、少し異常があっても必ず腎臓病とは限りません)

腎臓内科へ既に通院中の方は、上記の3項目が安定していれば腎臓病は落ち着いているという解釈でだいたいOKです。

まとめ

今回は患者さんに見ていただきたい重要な項目だけを紹介しましたが、それが全てではありません。
腎臓内科医は他の項目の結果も確認し、病状と病勢を推定して治療計画を立てていますので、例外があることはご理解ください。

次回腎臓の検査の各項目を深掘りして詳しく解説する記事を書いていく予定です。
本当はこの記事内に書きたかったのですが、かなりの長文になってしまうので、分割して解説させていただこうと思います。
次回もよろしくお願いいたします。

おまけ

慢性腎臓病の啓発サイトです。
アンバサダーに元宝塚の檀れいさんが就任されました。
腎臓病に興味を持たれた方は、ぜひご覧ください。

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