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感冒後嗅覚味覚障害

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
新型コロナウイルス感染後に一定割合で起こる味覚障害や嗅覚障害。経験された方は「食の楽しみが無くなりキツかった」と話されます。
どうすれば良いのか、と言うことを最近聞かれましたので、簡単にまとめてみました。

そもそも、新型コロナウイルスやインフルエンザなどをはじめとする「感冒」と総称される様な呼吸器感染症のなかには、一定数「感冒後嗅覚障害」や味覚障害を起こす方がいることは、コロナ禍以前から知られていました。
コロナ禍になり感染者の母数が増えた為に味覚障害となる患者数も増え、SNSで患者が発信し拡散されることが増えた為に、有名になった感じで、特に新型コロナウイルスが特異的に味覚細胞を障害する、と言う訳では無いと思います。

味覚障害、嗅覚障害と言っても、その程度は人により様々で、特定の味やニオイが分からないと言う人もいれば、全ての味やニオイを感じないと言う人もいます。そして特定された病態機序や確立した治療法があるわけではありません。

「感染による神経障害」が関係していると言われていますが、ギラン・バレー症候群の様に運動神経に対して抗ウイルス抗体が作用してしまい、最悪全身麻痺になることもあります。
おそらく呼吸器感染症に感染した中で、気がつかれない様なレベルの神経障害は一定数起こっており、ある程度のレベルを超えた感覚神経障害では、特に鋭敏な味覚や嗅覚の異常が表面化してくる、と言う様なことなのかも知れません。指先の触覚もかなり鋭敏なので、人によっては手先の触覚の鈍化やシビレを感じる人もいるのかも知れませんね。

基本的には味覚障害は1-2週間程度で自然軽快することが多いのですが、長いと3ヶ月や6ヶ月など長期間苦しまれている方もいます。より早く症状を改善させる方法としては、味覚障害の原因のひとつである「亜鉛」を食事やサプリとして意識的に摂取すること、漢方薬のひとつ「当帰芍薬散」も有効例が報告されているので試してみるのも良いと思います。

味覚障害や嗅覚障害には、感染症以外に原因がある場合もありますので、1ヶ月以上長引く様な場合には、医療機関を受診して確認する様にしましょう。

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