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Red Rodney – 1957 (1957)

 スイングからバップへと時代が移りかわろうとしていた1949年、Charlie Parkerに見出されたことで一躍名を知られるようになったトランペッターRed Rodney。しかし彼もまたParkerと同様に麻薬禍にさいなまれたため、その録音のキャリアにはムラが多い。本作は最初の療養期間を経て発表されたもので、Rodneyはもちろん、彼の盟友であるIra Sullivanも素晴らしいサポートを見せる最高の一枚だ。
 セッションは「Star Eyes」でメンバーのソロをたっぷり味わったあと、甘いバラードの「You Better Go Now」や「Stella By Starlight」のスインギーなアレンジに続く。この三者三様なA面を聴くだけでもRodneyの好調ぶりが分かる。カントリーの古典「Turkey In The Straw」を引用した「Red Arrow」は必聴の一曲だ。ここでSullivanはサックスをトランペットに持ち替え、Rodneyとのツイン・スタイルで技巧に富んだセッションを展開する。それに呼応するTommy Flanaganのピアノも実に軽快そのもの。がらりと空気の変わる「Ubas」では、Elvin Jonesが緊張感のあるラテン風のリズムを叩き出し、Rodneyはスピーディかつ勇壮なブロウを聴かせる。
 オリジナルはシグナルという短命なレーベルから発表され、コレクターズ・アイテムとなった。だがこの充実した内容ゆえに、サヴォイなどから名前を変えて再発され続けている。