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Sestetto Basso-Valdambrini – The Best Modern Jazz In Italy 1962 (1962)

 1962年の夏にミラノで行われたジャズ・コンテストにおいて、Gianni BassoとOscar Valdambriniが率いるセクステットはIl Quartetto Di LuccaやFranco Cerriのバンドを抑えて、みごと最優秀賞を獲得した。優勝の記念として、彼らはジャズの本場であるNYで凱旋コンサートを開き、さらにメモリアル・アルバムである本作を録音した。〈The Best〉とは、一見して大胆不敵なタイトルに見えるが、看板に偽りは決して無い。当時ブームの隆盛を極めていたファンキー・ジャズやモーダル・ジャズの熱を、時に忠実に、時に個性的に解釈してみせる。
 特に目を惹くのはなんといっても「Coltrane Style」だろう。タイトルこそJohn Coltraneにオマージュされているが、演奏のスタイル自体はまさにBenny Golsonがいた時代のThe Jazz Messengersそのもの。「Are You Real?」と並んで、実に熱いハード・バップを展開している。ホーン・アンサンブルに隠れがちになるが、「In Your Own Sweet Way」におけるRenato Sellaniの繊細なピアノのタッチも素晴らしい。また、「Jubilation」でのプレイには、Art Farmerの大傑作『Modern Art』のバージョンをほうふつとさせるものがある。
 「Monotonia」は、こうしたファンキーな名曲たちを咀嚼したValdambriniによる優れたオリジナルだ。ドラマーLionello Biondaが刻むスピーディーなリズムにはほのかなラテンの風味が添えられており、その中で繰り広げられる伸びやかなホーンのソロには、彼らの確かな自信が感じてとれる。