Blind Melon – Soup (1995)
Blind Melonは1990年の初頭にロサンゼルスで結成されたが、ボーカルのShannon Hoonをはじめとした当初のメンバーの中にLAの出身者はいなかった。彼らのバンド名は、ベーシストBrad Smithの父親がヒッピーを〈ロクデナシ〉のような意味で揶揄した言葉に由来していて、もともと彼らには西海岸の水は合っていなかったという。しかし、94年のウッドストック・フェスへの出演や、ジャズやカントリーを巧みに織り込んだサイケデリック・アルバム『Soup』の完成によって、Blind Melonは真の意味でのヒッピーとなった。
バンドは1stで見せたポップ感覚を抑制し、ルーツ音楽とサイケデリック感覚の折衷を90年代らしいみずみずしいサウンドで実践している。「2 X 4」や「Walk」は対照的な曲調ながら、いずれもHoonの薬物に関する体験を赤裸々に綴っている。「Toes Across The Floor」は暗く疑心暗鬼に満ちた独白が情熱的なギター・サウンドに彩られている一方で、「New Life」では生まれたばかりだったHoonの娘への愛情が吐露されている。
本作の発表直後、薬物に溺れ続けたHoonの不慮の死により、バンドは活動停止を余儀なくされる。名曲ながら本作ではアウト・テイクとなった「Soup」(94年のウッドストックでは演奏されていた)は、翌年発表のアルバム『Nico』に収録されることになった。