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Various – Charlie Parker 10th Memorial Concert (1965)

 とりわけジャズのような急進的な世界において、10年という月日はシーンが何周と転換するには十分な時間である。本作は、1965年3月27日にNYのカーネギー・ホールで開催された、Charlie Parkerの没後10年を追悼するコンサートを収録したアルバムで、ゆかりのジャズマンが集って繰り広げる極上のジャムが第一の聴きどころだが、単なるバップの回顧録にも収まらない充実の内容にもなっている。
 Parkerとともにバップを開拓してきたDizzy Gillespieのクインテットは絶好調だ。性急なテンポで繰り広げる「Um-Hmm (Ode To Yard)」の軽快さはもちろん、CD盤で追加された「Blues (From Gillespiana)」では、James Moodyのフルートと優雅なソロの応酬を展開して威厳を見せつける。
 ベテランのColeman HawkinsとRoy EldridgeがJ.J. Johnsonをフィーチャーした豪華な「Now's The Time」、晩年のDave LambertがスキャットでParkerのソロを再現する「Donna Lee」もまた最高だ。一方、当日のステージにたった一人で登場したのが若きLee Konitzで、新たなジャズの時代を指し示すように無伴奏のモーダルなソロを展開していく。
 大団円のメドレー「Bird Watcher / Disorder At The Border」では、Howard McGheeやKenny Dorhamも加わったオールスターのメンバーによる壮絶な大合奏が楽しめる。