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Unit 4+2 – 1st Album (1965)

 Unit 4+2はハートフォードシャーで4人組のコーラス・グループに2人の新メンバーが加わる形で結成され、後にArgentに参加するRuss Ballardがいたことでも知られている。グループのルーツはフォーク・ソングの持つ豊かなハーモニーだったが、彼ら最大のヒット曲「Concrete And Clay」は、ブラジル音楽のリズムを取り入れた陽気なマージー・ビートだった。この曲はロンドンの海賊ラジオ局のお気に入りとなり、シングル盤は全英チャート1位の大ヒットとなっている。
 この1曲だけでも十分称賛に値するのだが、カバー曲のアレンジは意外にも大胆で、彼らの持ち味である豊かなコーラス・ワークは様々なジャンルを網羅している。Leadbellyの「Cotton Fields」は「Concrete And Clay」と同様にラテンの風味が加えられており、元々ゴスペル・ナンバーの「Swing Down Chariot」は軽やかなギターでカントリー風にアレンジする粋なひと捻りをしている。「Couldn't Keep It To Myself」のリード・ボーカルは実にソウルフルな一方、フォークの定番である「500 Miles」は余計な手を加えずにグループの美しい歌声で真っ向勝負を見せてくれる。
 結局のところ彼らのイメージは「Concrete And Clay」のヒットを飛び越えることは無かったが、『1st Album』はイギリスのビート・シーンの後期を彩る魅力的な一枚である。