Osie Johnson – The Happy Jazz Of Osie Johnson (1957)
1957年にアルバム『The Happy Jazz Of』が発表されたとき、James "Osie" Johnsonは確かにジャズ界で最もハッピーなドラマーの一人だった。LPレコードの時代の到来によって、ジャズ奏者の多くがステージから録音スタジオへと職場を移り変えるなか、Johnsonの参加するレコーディング・セッションの数は同業者の中でもトップ・クラスであり、ベツレヘムを中心に数えきれないアルバムにクレジットされている。本作は55年にJohnsonがリーダーとなり、NYで録音された2枚の10インチ盤を再編集したものだ。
人気の秘訣はもっぱら豊かなプレイ・スタイルで、「Osmosis」のようなカッコいいハード・バップから、古典的な「Johnson's Whacks」まで様々だ。一つの形式に縛られることはないが、Earl Hinesのバンド時代に培われてきたスイングの美学は演奏のすみずみに行き渡っている。Frank Wess(Johnsonとは高校の同級生だったと言われる)の優雅なフルートをフィーチャーした「The Desert Song」は上品ながらも陽気さを失ってはいないし、静かなバラード曲「I Don't Want To Cry Anymore」では、Milt Hintonの抑制の効いたベースとともに抒情たっぷりのビートをもたらしている。代表曲「Osie's Oasis」も同様に印象的で、ラテン風のテーマで聴かれるパーカッションのような仕上がりが実に見事である。
Thad JonesのトランペットやDick Katzのピアノをはじめとしたサイドマンの豪華さも素晴らしいが、リーダー作ならではの特筆すべき魅力もある。「Don't Bug Me, Hug Me」でJohnsonは驚くほど洗練されたボーカルも披露しており、この一曲を聴くだけでも古きよきジャズ・クラブに迷いこんだような気分になれる。