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Lalo Schifrin – Towering Toccata (1977)

 まさか映画『タワーリング・インフェルノ』にあやかろうとしたわけではないだろうが、Lalo SchifrinのCTIレーベル第2弾である『Towering Toccata』は時代を彩った映画音楽を自作・他作問わず積極的に取り上げている。前作『Black Widow』に収録された「Jaws」を思わせるファンキーなアレンジがさえわたっているが、タイトル・トラックの「Towering Toccata」ではバロック音楽とスパイ映画風のサウンドを掛け合わせた不敵な趣向さえ飛び出している。
 「Theme From King Kong」はJohn Barry(こちらもスパイものの大御所だ)によるナンバーで、タイトル通りのヘヴィなグルーヴの中でEric GaleとJohn Tropeaのツインギターの応酬が繰り広げられる。ところどころで吠えるように豪快なフルートを聴かせるのは、The Blues Brothers Bandでサックスを担当するLou Mariniだ。「Roller Coaster」に代表されるディスコを意識したサウンドはAnthony Jacksonの強靭なベースに支えられており、また「Macumba」ではひと味変わったアフロビートっぽい雰囲気を演出している。
 アルバムは熱狂的なリズムを追求しているように見えるが、「Eagles In Love」ではSchifrinのオーケストラのメンバーであるClark Spanglerがなんとも穏やかなピアノを奏でている。ジャズ、ファンク、クラシックがみつどもえとなったセッションをまとめ上げるSchifrinの手腕は見事の一言だ。