John Patton – Soul Connection (1983)
『Soul Connection』はオルガン奏者John Pattonが、第二のJimmy Smith(該当者はほかにも何人かいる)として60年代のブルーノート・レーベルを彩っていた時期と、当時の未発表音源が発掘され評価の機運が再び高まる90年代のあいだに生まれたアルバムだ。ドラマーのAlvin Queenが立ち上げたニルヴァというレーベルからヨーロッパ向けに発売されたが、内容はブルーノート時代を思わせるニューヨーク・サウンドそのものだったのも多くのジャズ・ファンを喜ばせた。
Grachan Moncur IIIとGrant Reedによる重みと色気のあるホーンが、Pattonのオルガンと心地よく絡む。タイトル・トラックの「Soul Connection」はDušan Gojkovićが書いたワルツ風のナンバーで、Gojković自身は90年代にとても優雅な録音を残している。本作では3拍子のリズムの中でPattonのソウルが常にセッションを刺激し続けているものの、続く「Pinto」がこてこてのスイングなのは面白い展開だ。R&Bの土壌で育ってきたMelvin Sparksが「Extensions」でキレのいいギター・ソロを披露するのも印象的である。さらにMoncurが提供した「Space Station」におけるトロンボーンとテナー同士の掛け合いも絶品なのだが、ReedというプレイヤーはMongo Santamariaとのラテン・セッション以外にはほとんどクレジットがなされていない。
今になってみればこういう音楽が1983年に録音されていたことは驚きである。