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本の紹介・読書の記録

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2022年7月の記事一覧

2040年「仕事とキャリア」年表を見て,人生のビジョンについて思案する

リンダ・グラットンの「ワーク・シフト」には,これからの時代には「働き方をシフトする」ことが必要だと書かれている.それは特定の国で必要になるということではなく,世界的にそうなるということだ.本書では,対象を日本に絞り込み,先進国(特にアメリカ)と比較して日本の特殊性を指摘しつつ,これからの時代を生きていかなければならない日本人がどのように仕事をしていくべきか,どのようなキャリアを考えるべきかについて,国際経営コンサルタントでありかつ弁護士でもある著者の見解を述べている. 成長

「命日占い」で故人との繋がりを知る

2022年の春に妹が亡くなった.当時,なかなか心の整理がつかないということを「妹の四十九日」に綴ったところ,それを読んだ友人が「悲しみの秘義」という本を紹介してくれた.最近読んだ本の中でこれが一番自分の心に響いたと言って.「悲しみの秘義」は深く心に染み入った.死者と生きるということ,悲しむということなど.そんなことを書いたところ,別の友人から「命日占い」を勧めてもらった. 占いにはまったく興味がなく,普段は見向きもしない.しかし,この本はいわゆる占いの本ではない.著者は以下

こんなときだから「物語 ウクライナの歴史」に学ぶ

偽情報が溢れる世界の中で何が正しいかを知りたければ,とりあえず歴史を知るくらいはしないといけない.プーチン大統領は2021年7月に発表した論文の中でロシアとウクライナ人は同じ民族だと主張したが,果たしてそうなのか.そもそもロシアとウクライナの関係はどのようなものなのか.これらを学ぶために,本書「物語 ウクライナの歴史」を読むことにした. 本書は,今回のロシアによるウクライナ侵攻の10年前に書かれたものだ.著者の黒川祐次氏は外務省にて駐ウクライナ大使と駐モルドバ大使を兼務した