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110分の講演を担当した

人の集中力は20分まで

ゴールがみるみる遠ざかるとともに真っ白な霞にうもれていき、そして見えなくなった。

日本美容外科学会、学術教育委員会企画『上眼瞼の美容外科手術を学ぶ』での講演依頼を頂いたときでした。

依頼を頂いたら「Yesはいで答える(最近覚えた)」をもって受諾しました。

6時間を3分割構成。一人の演者が110分で講演を行います。と。

は?110分??私が信じるコンセプトとして「人が集中して聞き続けることができる時間はマックス20分」です。

途方に暮れる、銀色のはるかなみ〜ち〜。

映画の脚本家でもない私。文学に精通するわけでもなく、どちらかといえば国語は大嫌いだった私。110分のシナリオを書き下ろすことはできるのでしょうか??

はい!絶対無理無理無理無理〜。

座長、企画者と戦略会議。

手術動画をノーカットで流す。ちょっとした手術操作に食いつくものだというもの。そして意見はグレーではなく、はっきり白黒つける。その方が議論に火が付きやすい。

「ケースバイケースです」というコメントはNGということで。

ふむ。座長はいくらでもトークに火をつけることができると自信満々。とりあえず素材だけあしらえばなんとかなるかも。

この長い時間をインタラクティブな時間にして皆さんに充実した時間を体験していただきたいという盛大なる目標です。

本番

眼瞼下垂手術動画をバックグラウンドに流しながらトークが進みました。

確かに「一挙手一投足」が気になるようです。たくさんのトークが皆で繰り広げられました。気づけば残り10分。フロア(聴衆)で船をこぐ人は見られませんでした。この点でゴールテープを切ることができたと確信。

意見(否定的なものも)、質問など多くいただくことができました。備忘録としてリストします。

  • 電気(電磁波)メスを使う人が多い。鋼製メスやハサミのほうがよいのではとの意見

  • 腱膜へのアプローチ法。腱膜後層からはいかがですか?

  • 瞼板の厚みの違いによる対処

  • 効き目をチェックする?

  • 使用する局所麻酔薬
    麻酔を始める場所は中央から?端から?

  • くぼみは眼輪筋の眼窩へ付着している部位の拘縮説

  • メスは何を使う?初めの一刀はどの深さまで?

  • 皮膚縫合は中央から? 

  • 座位にするか臥位のまま開瞼チェックするか?

  • 腱膜を固定する場合の瞼板への固定位置について

  • 健康保険適用の手術と非適用の手術の区別について

  • そのアプローチでは予定外線が出やすいと思うよ

思いつくものを挙げました。他にもこんなのあったよというのがあったらご教示ください。

マイクでご意見頂いた皆様全員に心より感謝申し上げます。

そしてマイクの前にでなかった人も、頭の中で「自分だったらこうするよな〜」とか色々空想してくれたと信じます。


参考

第45回日本美容外科学会総会 2022年9/22〜9/23
会長 山本有平(北海道大学形成外科) 京王プラザホテル札幌

追伸

学会のインタラクティブ性を補うツールとしてこのようなものがあるようです。

『百人会議』

リアルタイムにコメント投稿できます。マイクに出るのが恥ずかしい人もコメントしやすくなりそうです。

いかがですか?

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