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【令和版】創作童話 博士が100人いる村


Dr.Hoshikenです。
ご覧いただきありがとうございます。

この創作童話は、博士号を取得した人の進路について紹介しているものになります(改訂 令和版)。

元のサイトはこちら(http://www.geocities.jp/dondokodon41412002/)でしたが、geocitiesのサービスが終了(2020/3/31)したため無くなってしまいました・・・。

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平成10年~12年の頃のモノといわれており、統計を用いたブラックジョーク&皮肉がたっぷりと込められた作品です。現実では自殺者もここまで多くはないですし、進路回答が正しくなされていない人たちがかなり多くいるという統計お遊びのジャンルです。でも、完全に嘘でもない作品です。

今回、魚拓の目的と、折角ですので令和時代の数を反映させたものを制作いたしました。

なお、原作の元データと言われている学校基本調査を参考にしております。

学校基本調査=文部科学省が毎年実施している進路調査です。

文部科学省:学校基本調査-結果の概要
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/1268046.htm

博士号を持つ人間がこの題材を扱うと心に刺さります。

作ってて首を吊りたい衝動に何度も駆られます。

生きていればよいことあるさー。←

ところで、最近、修士課程から博士課程に進学する人は15年で半減したとNHKのニュースで取り上げられました。

博士課程在学者が半減?あったりめーじゃねえか!【Dr.クラゲさん、博士を語る】
https://www.youtube.com/watch?v=nDXhPKY37Nk

Dr.Hoshikenも日本の学術政策に危機感を持っており、その意味もあってこの【令和版】創作童話 博士が100人いる村を作成しました。

子供の世代でも科学技術立国日本であってほしいです。

「博士の卵」半減!科学王国日本の超ヤバい未来
近い将来「ノーベル賞ゼロ時代」が現実となるhttps://toyokeizai.net/articles/-/304852

少しでも多くの人に届くといいなと思っております!

閑話休題。

「令和二年度学校基本調査」による調査結果を抜粋すると

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上記の通りとなります。

それでは、この元データを反映したものを紹介させていただきます。

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博士(はくし)は大学院博士課程を修了して、博士号を得た人たちです。
日本の知的エリートと言って過言ではありません。
科学技術立国日本を支える大きな柱です。
博士たちはれいわ二年に15500人あまり生まれています。
おぎゃー

大学という巣を飛び立つ小鳥たち(博士)がどういったお仕事につくのでしょうか?
きっと、頭が良い人たちなので、立派なお仕事をして、皆に尊敬されて、いっぱいお給料をもらってるに違いありません。
日本の科学を支える立派な柱ですからー

ここでは毎年生まれる博士が100人いる村の話をします。
ずばり、「博士が100人いる村」です。
場所は日本の中央付近、富士山が見える風光明美な場所です。

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博士って、英語でいうとドクターだけど、お医者さんなの?
お医者さんのドクターとは違うのです。
お医者さんの中でも博士の人とそうじゃない人がいるのです。
100人の博士が生まれたら、18人がお医者さんです。

この人たちは名実ともにエリートです。
皆に尊敬されて社会的地位も高く、もちろんお給料もいっぱいもらえます。
幸せになれる素材として申し分ありません。

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博士って、大学の先生になれるのかな?
頭が良いからきっと大学の先生になるんだよね!?
100人の博士が生まれたら、13人が大学の先生です。
あらあら、意外に少ないのね?

この人たちは卒業とともに大学の先生になったエリートのひよこさんたちです。
ぴよぴよ
皆ずっと大学にいてそのうち教授になれるのかな?
いえいえ、そうではありません。

たいていの人はまず助手と言って、授業は受け持たないけど、研究室の運営などの雑用と自分の研究をする人になります。
最近は助手も定職じゃなくて、2年間でクビになっちゃうのですよー
最近は助教と言って、授業は受け持ち、研究室の運営などの雑用と自分の研究をする人になります。
助手のあとに助教になっても、2年間~5年間でクビになっちゃうのですよー
あら、大変ねー

この人たちは前途多難ですが、教授への道へ一歩だけ進んでいる人たちです。
忙しいけど幸せになれる可能性が2割くらいありそうです。
がんばれー

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博士って、研究者になれるのかな?
白衣を着て、バリバリ実験するのかな?
100人の博士が生まれたら、10人がポスドクです。

ポスドクは大学の先生じゃなくて、お金で雇われる研究者です。
雑用や実験をバリバリするのが仕事です。
ポスドクさんたちは教授になれる可能性を秘めたエリートの卵です。

ポスドクはたいてい1年契約で最長3~5年契約の一時的な仕事です。
定職じゃないのねー
大変ねー
この人たちは前途多難です。

助手・助教の人たちは青田刈りされていますが、ポスドクさんたちは刈り残しの敗残者集団と呼ばれていますー
頑張って生き残るんだよー
幸せになれるかもしれないからー

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博士って、サラリーマンになるのかな?
会社で実験するのかな?
100人の博士が生まれたら、16人が会社に勤めて2人が公務員です。

これまでに培ってきた科学的知識を社会に役立てるのです。
公務員なら一生安泰。
会社員もだいたい大丈夫。
普通の人に戻れた幸せな人たちです。
お幸せにー

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博士って、ずっと実験する人なのかな?
それとも他の仕事もするのかな?
100人の博士が生まれたら、18人が他の分野に行きます。

研究職に見切りをつけたのでしょうか?
でも、それも良いんです。
自分の人生ですから。
きっと幸せになれますよー

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博士って、ちゃんと働いているのかな?
ちゃんと世間と上手くやっていけるのかな?
100人の博士が生まれたら、17人が無職です。

深くて広い科学的知識と研究を進めるパワー。
ひとたび動けば実験をし、また論文を作成する日本の知的エリートです。
が、無職です。

大学の先生にもなれず、ポスドク研究員にもなれず、会社員にも公務員にもなれず、他の分野に転身することも適わない人たちです。

この人たちは、普通の人にも戻れないどうしようもない人たちです。
クズです。社会のお荷物です。

なぜこんなことになってしまったのか?
と、遠いあの日を振り返って毎晩枕を涙で濡らす人たちです。
生きろー
生きるんだー
生きてれば幸せになれる可能性をわずかに残しているからー
(約束できないけれどー)

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100人のうち、94人の進路が分かりました。
でも、6人の人たちがまだ残っています。
この人たちはどうなってるのでしょうか?

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100人の博士が生まれたら、6人が行方不明か死亡しています。
博士を持ちながら、明日への希望を失ったのです。
さようならさようなら。
僕たちは消えます。
世間から消えます。
このつらい世の中から消えます。
さようならさような・・・

絵をよく見るとまだ生きている人(空中にいる人は除く)が二人おりますので原作と人数は変えておりません

令和2年の日本の自殺率は10万人当たり16.6人程度です。

でもでも、博士たちは100人のうち6人が不明または死亡です。

10万人当たり6000人です。
東京都だったら、人口1400万人ですから、840000人です。

千代田区、中央区、港区、新宿区の人口を合わせた人数と同じくらいになります。

これが毎年毎年のことです。大事件です。

実際に毎年1000人の博士が死んだり行方不明になっています。

街で博士(のら)を見つけてもいじめないでください。

その秘めた力を生かせずに腐っていく毎日に耐え切れずに身を隠したのですからー

そっとしておいてくださいねー


お し ま い !


どんとはれ!



いかがでしたでしょうか?

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【関連動画】
【修正版】 創作童話 博士が100人いる村
https://www.youtube.com/watch?v=Liw1-Zjd-zo

【関連サイト】

過去にも様々な年度で様々な方が考察をされてらっしゃいますので、是非ご覧ください!

平成31年(2021年5月13日 by 元ポスドクさん)
https://ararablog.com/graduate-school/village-100-doctors/

平成30年(2018年12月28日 by 生物系博士の就職活動さん)
https://jobshunting.hatenablog.com/entry/2018/12/28/223740

平成24年(2013年1月21日 by LifeScienceProjectさん)
http://life-science-project.com/1169/


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