人工呼吸器を2分間停止させたニュースについて

2021年3月に医師が人工呼吸器使用中の患者への気管切開変更の同意が得られなかったことをきっかけに、
人工呼吸器を一時的に止めていたという事例が報道されました。医師は書類送検されておりますが、警察は検察に判断を委ねる「相当処分」の意見を付しています。

概要としては、
NHKの報道が背景もわかりやすかったように思います。

経緯

新型コロナウイルスで入院中の60歳代の男性患者、人工呼吸器使用中。人工呼吸器の長期化に伴い、気管切開を提案されたが同意が得られず人工呼吸器を一時的に停止していたことがわかった。
理由として患者が気管切開に同意しなかったためとされている。

病院の運営法人は、重大な倫理違反と認定し、医師を戒告の懲戒処分としている。

特に、気管切開についてのやりとりは
筆談で「呼吸器を止めてみます?」→患者が「止めてみろ」と反応し、実際に呼吸器を2分間停止したという状況が繰り返し報じられる事態となっている。
運営法人は21年秋に倫理委員会を設置しており、
「故意に苦痛を与える行為で重大な倫理違反」として同年12月、医師の戒告処分を決めている。
患者への謝罪は22年12月になってから、実に1年経過している。
医師は処分の撤回を求める訴訟を大阪地裁におこしている。

気になったところ

患者は人工呼吸器使用時、鎮静剤の投与を受けていた
気管切開については手術を行う前日にいったん同意していたが、その後同意は得られなかった。
説明しても、なかなか理解が得られなかったと医師は取材に答えている。

→鎮静下の場合、判断力が落ちていると考えられるため緊急性が無ければ仕切り直しが妥当だったと思われる。

実際、病院を管理する市立東大阪医療センターの谷口和博理事長は「緊急性はなく、時間をおいて患者や家族に再度説明するなどの対応を取るべきだった。市民の信用失墜を招く結果となり、心よりおわびするとともに再発の防止に取り組みたい」とコメントしています。

感想

医師も激務で判断力が落ちていたのではないか?というのが第1感。コロナの重症患者も多く、疲労はあっただろう。異常とも言える背景を考慮すると医師側への同情もわかる。治療が予定通りいかなかったところで、おきた事例だろうか。普通は、じゃあ後日にしましょうとなるところでもある。

気になったところでもあげているが、鎮静下での意思確認など困難ではないのか?と思わされるところもある。
警察も今回相当処分を付けているので、医師側へ配慮した形にも見える。

チームで治療方針を決めていたのか?議論をつくしているかは病院としては安全面を考慮すると求められる気もする。


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