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5月12日 島田さんのように脳だけになる日

Fatboy slim先生が、ロックダウンミックステープをYouTubeに毎週アップしてくださっている。
今回でもう7週目。ありがたいことである。
作業なんかしながらついゆらゆら踊ってしまう。

することがなくて毎日踊ってますという職場の女の子の発言に対し、わかるー!と応えようとしたが、どうやらその子の「踊る」はtrfのイージー・ドゥ・ダンササイズやコアリズムのことを言っているらしく、私の「踊る」とエネルギー消費が格段に違うのだった。
ゆらゆら。

お昼は時間がなくて、外から覗いてお客さんが少ないことを確認し、びくドンで済ませることになった。
激烈に久しぶりなびくドンで冒険したくなってしまい食べたことのないフォンデュチーズバーグなんとかを注文した。

チーズだくだくのハンバーグに盛り上がるも、60%くらいの進捗で早くも胃がもたれるのだった。
はちゃめちゃに空腹だったわけで、やはりこれは老いか。

この世の食べたことないもの全て食べたい!という情熱で駆け抜けた20代だったが、さすがに中年にさしかかるこの年代では無理が出てくるのか。
大人しくおろしそバーグディッシュにするんだった…という私の後悔をよそに、食に冒険しない主義の夫は初コロコロステーキで冒険大成功しており、さらに悔しい気持ちにさせられるのだった。

それにしても、もともと冒険否定派の夫に食の冒険をさせるほど今回の外食自粛は辛かった。
と言いつつまだまだ自粛は続くわけで、終わらない可能性すらあるわけで、エネルギー効率を考えて、人は移動しないようになるという森博嗣の小説(真賀田研究所の描写とかWシリーズのあたり)が思い出される。

人は動かず、物とデータだけ動かす。
真っ白な真賀田研究所内を、風邪薬を乗せたワゴンだけがすーっと走っている様子を空想してから、もう20年以上経っている。

若い頃に初めて、すべてがFになるを読んだ時の衝撃以来ずっと森博嗣作品を読んできたが、あの世界観は案外もうすぐ実現するかもしれないと感じた。
島田さんのように脳だけになる日に、私は間に合うのかしら。

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