見出し画像

その75 歯と高さの関係

 歯は何のためにあるのか。もちろん物を噛み切り、噛み潰すことです。歯がないと困りますね。というのは1つの側面。実は、歯にはもう1つ大きな役割があります。お口の中の容積を維持という役割です。

 ちょっとわかりにくいかもしれませんが、歯が全くない方だと上顎の土手と下顎の土手がくっつくくらいまで閉じることができます。クシャおじさん?(下)きんさん?両方わからない方もいるでしょうね。それだけ口の中の容積が小さくなったということです。逆に皆さんが上下の歯を接触させてしまうと、それ以上は噛みこめません。おかげで舌の動く範囲が維持できます。

画像1

 噛むことといえば「歯」を想像されると思いますが、本当の動きの中心は舌です。要は、舌の動ける範囲を作るのが噛み合わせの高さということになります。残念ながらこのことは一般的ではありません。だから、「柔らかいものしか食べないから入れ歯を入れない」「食べるときだけ入れる」などという方も出てきます。そうすると、ふだんから舌は動けない状態になっているので、噛むとき、喉に送り込むときに正常に動かなくなってしまいます。歯があるときはしっかり維持する、なくなってしまったら入れ歯で代償するということを心掛けないといけません。

 歯は噛み切る道具とともに噛み合わせの高さを維持するものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?