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その77 つなぐ

 地域の中で何らかの食や栄養に異常がある方が見つかったとします。重症度が高ければ入院を含めた医療介入が始まります。しかし、体重が減り始めた、外に出なくなったという「兆候」が出た時、気づく人がいても次のアクションを起こす人がいません。そもそも、「主人、最近体重が少し減ったんです」と言っても世間話で終わってしまうかもしれません。

 「見つける、つなぐ、結果を出す」は三位一体ですが、つなぐの難しさは、「どのタイミングでつなぐのか」「誰につなぐのか」の2つです。医療者の中でも、食支援が必要なタイミングはバラバラです。食や栄養に対する意識が人によってまちまちであり、重要な事象が起こっているにもかかわらず反応しない医療者もいます。

 地域の中で「適切な人につなぐ」ためには、客観指標をしっかりさせることが必要です。例えば、「75歳以上は毎月体重測定をして経時的にわかるように記録すること。その上で3カ月で3キロ以上痩せたら異常である。その時はケアマネジャーに連絡する」といったようにルール化する方がいいでしょう。

 また、重症度が高い時は医師や看護師などの介入が必須になりますが、初期の段階で栄養相談を受けられるシステム作りが必要です。まだ整備されている地域は少ないですが、この段階が一番重要です。介護保険とは異なる、単発の相談もできるシステムが地域には必要になるでしょう。

 地域で適切な人につなぐ難しさは、「どのタイミングでつなぐのか」「誰につなぐのか」の2つです。その地域として確立していく必要があります。


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