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その65 口腔ケアはやらないんじゃない、できないんだ!

 口腔ケアは重要です。口腔環境を整備することで食べる環境が整い、口腔内を刺激することで飲み込みの機能も亢進することがわかっています。もう、口腔ケアをしないわけにはいきません。みんなが口腔ケアをすればもっと食べられる人が増えるのです。さぁ、口腔ケアをしましょう!

 ところが、お口の状態が悪い方はたくさんいます。どうして皆さん歯を磨かないのでしょうか…。お口をきれいにすることを忘れてしまうのでしょうか。実はお口の環境が悪くなる方にはいくつものパターンがあります。口の環境が悪くちょっと磨いたくらいではよくならない方、そもそも口の中をきれいにする気がない方、そして…磨こうとしても磨けない方。実はこの中で、磨こうとしても磨けない方がかなり見過ごされている現実があります。

 このような方は、特徴として自分で歯ブラシをされています。しかも、日に3度くらいやられている方もいます。でも磨けないところが出てきます。それは手先が動かなくなるからです。

 皆さん、自分で歯磨きをする時のことを考えてみてください。右奥を磨いた後、左奥を磨こうとするとブラシを回転(反転)させていませんか?かなり器用な動き方をいとも簡単にやっているのです。その動きを、箸も使えずにスプーンでお食事をしているような方ができると思いますか?結果、やっているように見えて、磨けていないところが出てしまうのです。

 口腔ケアを専門職(ホームヘルパーや歯科衛生士など)が補助的に口腔ケアを行うケースがあります。できない方の補助をするのは当たり前ですが、やっているのにできない方への補助がなく、お口の中の衛生状態が悪くなるケースが多くあるのです。できていると思っている方、自分でやっている方へのチェックも必要です。

 口腔ケアが自立していると思っている方でも磨けていない方がいます。そういう方をチェックし、補助するようにしましょう。


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