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その81 日本語の下手な名医はいない

 日本語が下手とは、文法も語彙も話し方も含めて伝える手段としての日本語が下手ということである。しゃべることも文章も含めて。名医は患者を感動させるし心を動かしていく。そもそもの日本語が下手な人がそのようなことができるわけがない。

 伝わればいいと思っている医療者は伝えられない。日本語が下手な人は言葉が足りなくて伝えられない。知識を得てくると言葉が無駄に多くて伝えられない。そしてその先に、適切な語彙量で的確に伝えられる人がいる。決して年齢や経験ではない。

 さらに伝え方は医療者と患者の立場をどう置くのかによって変化する。遠く距離を置く人もいるし、一定の距離からは中に入らない人もいるし、患者に寄り添うポジションの人もいる。

 違う医者が、同じ内容を同じ患者に説明しても受け取られ方は千差万別である。技術はもちろんであるが、伝える手段としての日本語が下手な医療者は名医にはなれない。日本語が下手な医療者が多い気がして不安になる。

 医療者は、伝える手段である日本語力を向上させなければならない。


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