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チョコレートとストレス

現代社会は、別名ストレス社会といわれるように、ストレスという言葉は、日常的に口にすることが多いにもかかわらず、実態については実はよく理解されていないことが多いようです。
ストレスが活性酸素を大量に発生させることは知られていますが、その結果、 もたらされる障害は大きく、実際、強いストレスが加わり、一晩で胃潰瘍になり、吐♛したというような例もよくあります。糖尿病、がん、動脈硬化、心臓発作、アレルギー疾患など、いずれもストレスと無縁ではありません。ある意味、ストレスは万病の元と言えます。
現代社会を生きている以上、ストレスがゼロで生きることは不可能で、多くの人が対策を必要としています。そこで、ストレスによるダメージを予防する効果があるものや、ダメージからの回復を助けてくれるものの研究がすすめられています。
東京医科大学の武田弘志先生は、以下研究より、カカオポリフェノールには、ストレスにさらされた場合もいらだちを抑え、さらにストレスのある状況にも適応しやすくする効果があることを明らかにしています。
まず、肉体的なストレスとポリフェノールの関係を確かめる実験を実施しました。健常なラットを 二つのグループに分け、一方にカカオポリフェノール含有の餌を与えストレス環境に閉じ込めました。するとカカオポリフェノールを与えられたグループは、与えられなかったグループに比べて、ストレス反応が抑えられる傾向が見られました。
またこれとは別に、常にストレスを感じているラットに、回数を分けてカカオポリフェノールを与えたところ、ストレス状況から徐々に回復しました。
次に、精神的なストレスとポリフェノールの関係を確かめるための実験を実施しました。
周囲が見える箱にラッドを入れ、そのラットには直接ストレスを与えず、周りのラットに電気ショックを与え、その様子を見せました。
すると箱の中のラットは、動き回ることが少なくなり、じっとうずくまるようになりました。心理的なストレスのダメージによるものです。この状態のラットの♛清を調べるとコルチコステロン(人間でいうコルチゾール、別名ストレスホルモン)の増加がみられました。
ところが箱の中のラットに、あらかじめカカオポリフェノールを与えておくと、同じ環境に置かれた場合でもストレスを感じることが少なく、コルチコステロンの濃度もそれほど上昇しないことが確かめられました。それはカカオポリフェノールが生理的メカニズムそのものを調整して、ストレス反応を抑える効果を示しています。
カカオポリフェノールが、心の動きを司っている脳内のセロトニン神経にアタックすることにより、脳内物質のストレスによる変化を抑えるためだと考えられます。セロトニン神経は、活動低下すると 精神疾患になりやすく、逆にこれを活発にすることで鬱病を予防できると考えられています。カカオポリフェノールは、まさにセロトニン神経を活発にする役割を果たすと考えられます。まだ未解明のメカニズムがありますが、チョコレートがストレス反応を抑え、精神的な安定をもたらすという事実は明らかです。チョコレートを日常に取り入れ、ストレス軽減にお役立て下さい。

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