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脳の時計、臓器の時計

体内時計の種類

体内時計には、脳の視交叉上核から指令を出すリズムと、指令を受けるそれぞれの臓器がもつリズムの2つがあります。
脳の体内時計がメトロノームのような存在であり、それぞれの臓器がそのリズムに合わせて動いて音楽を奏でるようなものです。
しかし、生活パターンによって臓器の活動時間や代謝は変わり、そのリズムがズレてしまうことがあります。
そうなると体調不良をきたし、睡眠障害やうつ病、糖尿病や肥満などにつながるのです。

体内時計のリズムを調整するのが、健康の秘訣

臓器の時計をリセットするのは

では、臓器の体内時計を決めるのに重要な行動は何でしょう?

1、 光を浴びる

2、 食べる

3、 歩く

臓器の体内時計を決めるのは?


答えは2の「食べる」です。

体内時計には脳の体内時計と、臓器の体内時計がありますがそれぞれのリセットの仕方が違います。
脳の体内時計は、光を浴びることでリセットされます。

そして臓器の体内時計は、腸内に食べ物が入ることでリセットします。

朝ごはんが臓器の体内時計をリセットする

朝起きてしばらくご飯を食べないと、脳からの指令と臓器のリズムに大きくずれが生じ、体調不良、睡眠障害、うつ病、糖尿病などの原因となるのです。

インスリンが鍵を握る

腸は、インスリンのシグナルを介して肝臓などの体内時計を調整しますので、起床後1時間以内に糖質を摂取してインスリンを分泌させると、脳と臓器の時間のリズムが一致しやすくなります。

朝食には、適度な糖質の摂取があると体全体のリズムを整えるのに良いのですね。
かといって、糖質の多いパンやご飯、おにぎりだけの朝食はお勧めできません。
食物繊維の少ない糖質だけを摂取すると、その後血糖値が急速に上がりピークを迎えた後急速に血糖が下がります。

血糖値の上昇はあらゆる臓器や血管を傷つけ、将来的に生活習慣病をきたすことになります。また、血糖値が急速に下がると強い空腹感や疲労、イライラを感じてしまい、昼の過食につながります。

そうなると、体内時計を調整しても結局体のダメージが大きくなってしまいます。

おすすめの朝食は


そこで朝に糖質を摂るのにお勧めなのは、野菜やフルーツを少量取ることです。
食物繊維やビタミンもとれるので、体にとっては良いことづくめであり、血糖値の上昇も抑えてくれます。
いちごやブルーベリーなどのベリー系はポリフェノールやビタミンCを多く含み、糖質も多すぎないのでお勧めです。
りんごもポリフェノールを多く含み、加えて繊維質が多いので血糖値の上昇を緩やかにします。
みかんは、ビタミンC、βクリプトキサンチンという酸化を抑える嬉しい成分が入っている上、食物繊維を多く含みます。さらにシトラス系の香りは目覚めを促します。
バナナはやや糖質高めですが、含まれる糖質の種類が澱粉が多いため吸収が緩やかで、肝臓で中性脂肪を作りにくい特徴があります。さらにトリプトファンが含まれているので、ビタミンB6と結びついてセロトニンを作ります。セロトニンは夜の寝つきを促すメラトニンに変換されるので、体内時計を整えるのに役立ちます。
とはいえ、朝のフルーツはあくまで体内時計にスイッチを入れるためと考えて下さい。少量の摂取で十分です。ビタミンや他の栄養素を十分補おうとすると、糖質の摂りすぎになり逆効果となりますので、1日トータルで様々な食材を取り入れるようにしましょう。

いちごなどのベリー系はポリフェノールが豊富で低カロリー。ビタミンCも豊富です。
りんご、みかん、バナナもお勧め。ただし、食べ過ぎには注意して。

そして、タンパク質も朝とったほうが、筋肉の合成に効果的です。また、タンパク質は、セロトニン、GABA、ノルアドレナリンなど、様々な脳ホルモンの材料になります。一度にたくさんとっても吸収できる量は限られており、1回の食事では体重1kgあたり0.3g程度のタンパク質が理想です。できるだけ小分けに摂って、1日に体重1kgあたり1gを目指すとよいでしょう。
卵、納豆、お魚など、多種類のタンパク質を取り入れると、無理なく達成できます。

卵も納豆もタンパク質が豊富

起きる時間が寝る時間を決める

起床後14―16時間でメラトニンが分泌されて眠気が来るので、夜10時寝たい人は、16時間前の朝6時頃起きて、1時間以内に何か食べるとよいでしょう。

寝る前の糖質摂取とメラトニンの関係


そして、糖質は寝る前にとるとインスリンの働きを悪くすることが分かりました。特に就寝前の2時間以内はN Gです。メラトニンの分泌が多い時間に糖質をとると、血糖値を上昇させてしまうのです。糖尿病の方は、遺伝子変異によって寝る直前のメラトニン分泌が増えている人が多く、その時間帯に糖質を摂った時の体のダメージが大きいそうです。

参考文献↓
https://www.massgeneral.org/news/press-release/Rct-offers-insights-on-how-timing-of-dinner-and-genetics-affect-blood-sugar-control

体内時計のリズムは脳だけではなく、臓器のリズムが重要であることを知っておきましょう。そして、起床時間と食事の時間、食事内容のポイントを抑えると、体を楽にコントロールできるようになります。

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