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食前に〇〇を飲むと、血糖が下がる

食事の10分前に「あるもの」を飲むと、平均血糖値が下がったそうです。
「あるもの」とはなんでしょう?

1、ホエイプロテイン
2、赤ワイン
3、アマニ油


答えは1のホエイプロテインでした。なぜ、食前のプロテインが血糖値を下げるのでしょうか?

糖尿病患者の血糖が下がった



2022年5月英国ニューカッスル大学から発表された研究結果によると、2型糖尿病患者が食前にホエイプロテインを飲むと平均血糖値が下がる可能性があるということが示されました。
論文要旨はこちら↓
https://drc.bmj.com/content/10/3/e002820

この研究では、参加者を2つのグループに分けて、一方のグループにはタンパク質15gが含まれるホエイプロテインを、朝食・昼食・夕食の各10分前に摂取してもらいました。もう一方のグループには、ホエイプロテインを摂取せず、同じ食事をしてもらいました。

1週間継続し、その間の血糖値をした結果、食前にホエイプロテインを摂取すると、血糖値が正常になった時間が1日に2時間増え、24時間の血糖値の平均も、ホエイプロテインを飲んだグループはそうでないグループに比べ10.8mg/dL低いという結果が出ました。

なぜ、プロテインで血糖が下がるのか?

ホエイプロテインを飲むと、小腸からインクレチンというホルモンが分泌されます。このインクレチンが上昇した血糖を下げるのに大きく役立っているのです。

インクレチンとは

藤元メディカルシステムHPより引用 

インクレチンは、Intestine(腸) Secretion (分泌)Insulin(インスリン) から命名された、消化管ホルモンです。 何かを食べて胃腸に糖質や脂肪が入ってくると、インクレチンが腸管から血中へと分泌され、血糖値が上昇しているときに、インスリン(血糖を下げるホルモン)を分泌させたり、グルカゴン(血糖を上げるホルモン)の分泌を押さえたりします。

現在知られているインクレチンとして、GLP-1とGIPの2種類があります。

 GLP-1は主に小腸から分泌されて、膵臓からのインスリン分泌を増加させ、膵α細胞からのグルカゴン分泌を抑制する方向に働きます。
さらに、胃から腸への食物の移動を遅らせる効果があります。そしてなんと、食欲を抑える効果もあります。

GIPも主に小腸から分泌され、膵臓からのインスリン分泌を促進します。この作用はGLP-1の数倍という強さです。

近年、糖尿病ではインクレチン関連薬が開発され、治療に使われています。

インクレチンを注射や錠剤で体内に入れる方法は、「GLP-1ダイエット」として痩身のために利用されていることもあります。

しかし、ホエイプロテインを食事10分前に摂取する方法を取り入れれば、高価な薬を用いなくても自分でインクレチンを分泌させることができるのです。

糖質を最後に食べるダイエットは、野菜や肉で満腹にさせるためだけじゃない

食事の前にホエイプロテインでインクレチンを増やしておくと、その後に糖質を摂取しても血糖を下げてくれるというメリットがあります。
さらに、食欲を抑える作用で食べ過ぎを自然と防いでくれるのです。

もし、「この時間になったらおやつが食べたくなる」とか、「ランチは麺類や丼もので糖質が多くなってしまう」という場合はプロテインを先に飲んでおくと血糖上昇による健康被害を少し抑えられる可能性があります。

血糖値の上昇は、糖尿病の人だけの問題ではありません。


糖質に偏った食事によって、脂肪肝、肥満、メンタル不調、疲労、アレルギーなどが引き起こされています。

プロテインを飲まなくても、食事の初めにタンパク質と野菜を食べるだけで、血糖上昇が抑えられます。
 
ちょっとした食べ方の工夫で、空腹感が少なく食べ過ぎに悩まない1日を送ることができ、さらに将来の健康状態を良くすることができるのです。

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