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主人公の生き方が凄絶すぎて読んでて苦しくてしょうがない!「夜が明ける」を読んで

苦しい〜苦しいよ〜

主人公の生活が極限状況に追い込まれていて、読んでてとても苦しかった。

今回の本は西加奈子さんの「夜が明ける」!

あらすじ

主人公が高校の時に父を事故で亡くす。その父が莫大な借金があったことが判明し、その後バイト三昧の生活となるものの、大学をなんとか卒業したあとに就いた職業がテレビ局のAD 。ブラックな労働環境で頑張り、何年も働くが、最終的には体を壊し、仕事をやめざる得なくなるという話。

西加奈子さんといえば

西加奈子さんの作品でこの前に読んだのが、映画化された「漁港の肉子ちゃん」。これもある意味底辺の母子家庭の話なんだけど、母親役の肉子ちゃんがとても陽気で、楽天家なので、全然苦しくなく、楽しく感動的な話だった。

この小説の場合は

この小説はとにかく苦しい。

もうね、救いがない。

作者はこの小説で何を伝えたかったのか?疑問に思っていたら、最後の最後に救いか待っていた。

アパートで寝込んでいたら、女の後輩が訪ねてくる。その後輩が言ったセリフがこちら。ちょっと長いけど引用します。

最近自業自得だとか、自己責任だとかいう言葉をよく聞くよねって。それはもちろん、もともと適切な言葉としての機能があったのかもしれないけど、最近は、大切な現実を見ないようにするための盾になってる気がするって。だからそんな盾はいらない、みんなもっと堂々と救いを求めてって。それで、自業自得とか、自己責任とか、そんな言葉は、その人が安心して暮らせるようになって、本当に、心から安心して暮らせるようになってから、初めて考えられるんだから。初めて負える責任なんだからって

「夜が明ける」

一度、先輩、私が車に轢かれそうになったの、助けてくれましたよね? 覚えてますか? その時、先輩思いっきり地面に膝と腕を擦って、血とか出て大変だったのに、そのまま、何にもなかったみたいにロケ進めて。私がお礼言っても、全然恩着せがましくなくって。病院も行かなかったですよね? めちゃくちゃ格好良かったし、感謝したんですけど、でも同時に、いや格好つけすぎだよって思っちゃって。ごめんなさい、助けてもらったのに。 先輩は全部、全部、自分の中で解決しちゃうじゃないですか。思ってることも言わないし。それは、田沢さんもそうだったらしいんです。そういう環境だったんだって。人に助けを求めるなんて、それこそ負けだったって。 でも、もうそれ、やめません? もちろん、根性は大切だと思うんです。頑張るべき時は頑張る、それは絶対に大切だと思うんです。でも、頑張っても、頑張っても、ダメな時はありますよね?

「夜が明ける」

このセリフ読んだとき、うわってなった。程度の違いはあったけど、同じような状況のときあったから。

その時、こんなふうに言ってくれる人がいたらなぁ!

自己責任とかもうやめません

やっぱり、自己責任って聞いて、ドキッとしたんだよね。同じようなこと考えてたことあったから。

でも、それって余裕がないときなんだよね。

もっとみんな余裕持って、他人に寛容になったほうがいいのかなと、そんなことを感じたね。

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