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これからの「食」のあり方を紐解く!フードテック革命を読んでみた。〜1回目:キッチンOSに注目。〜

メリークリスマス!もう少しで2020年が終わってしまうと思うと感慨深いこの頃です。年末に振り返ろうとしていますが、今年は本当に人の生活が大きく様変わりした一年でしたよね。

コロナ渦において、食べること、食べる手法も大きく変わったという人は多いのではないでしょうか?私自身も外食が好きでしたが、今では自宅でゆっくりご飯を楽しんだり、フードデリバリーサービスを利用することが増えました。

今回は「デジタル&フィジカル」に関連した食ビジネスの書籍を読み、これからの「食のあり方」について考える記事となります。

この本は「食ビジネス」に関連した様々なテーマや事例を紹介しているのですが、特に私が気になった3つのキーワードを元に考察していきたいと思います!(話が長くなりそうなので、3回に分けてお届け予定です)

・キッチンOS
・フードテックによる外食産業のアップデート
・フードテックを活用した食品リテールの進化

そもそも、フードテックとは何か?

フードテックとは食のシーンにデジタル技術(特にIoT)やバイオサイエンスなどが融合することで起こるイノベーションのトレンドを総称した言葉とのこと。

特にここ数年において急激に注目されはじめているとのことですが、その背景として生活者の変化による「食の価値の再定義」が大きいそうです。昔よりもモノがあふれる時代になりつつある中で、食べるという行為そのものに対してのあり方、「丁寧に暮らしたい」「食を通じて孤食を減らしたい」「フードロスを無くしたい」「もっと調理に時間をかけて丁寧に料理をしたい」などの潜在的なニーズを求める人が多くなってきたのです。それらに加え、「何を食べるか」自体がその人の価値観を示すような時代にもなりつつあります。食べ物のパーソナライゼーションが起こりつつある中で、今までのような大量生産・大量消費を前提としていたマスマーケティング向けのバリューチェーンでは、ユーザーのニーズを満たせない可能性が高いとのこと。

上記のような課題に対してのアプローチがIoTで個人データ(行動情報、趣向)と連携することで捕らえきれなかったニーズの深掘りができるようになることで、年々「フードテック」という概念や関連サービスが出始めてきているそうです。これらの定義を踏まえて、フードテックの未来を紐解けるサービスをご紹介していきます!

キッチンOSで、食体験が大きく変わる!

キッチンOSとは、料理レシピや調理方法などのキッチン関連のアプリケーションが動くデータ基盤のこと。iPhoneの中に入っているiOSと例えると少しイメージしやすいでしょうか?スマホアプリのレシピをWi-Fiでつながった調理家電に読み込むことでき、そのデータを読み込んだ家電が指示された通りに動き始めるというような技術です。

キッチンOSがあることで、膨大なレシピデータをキッチン家電と連携したり、小売店での買い物体験や一連の行動をデータでつなぐことできるので、利用するユーザーの要望を取り込むことができるのです。

キッチンOSのIoT家電が、勝手に調理してくれる未来も生まれる?

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IoT家電を開発するアメリカのスタートアップ「ヘスタン・スマート・クッキング」は、ステンレス製のセンサー付きフライパンと、スマートフォンから制御できるIHヒーターの組み合わせでシェフの調理を再現できるシリーズを開発・提供しているそうです。この話を読んだときのワクワク感が止まらなかったのですが、つまり「火加減の調整が難しい料理」などをIoT家電がサポートしてくれるんです!料理が苦手な人でも、キッチンOSノの搭載された家電を使うことで、「一定の美味しい料理」を作ることができるかもしれません。(実際に火加減とかが難しいのですよね...)

この動画を見ると、「自分で作る」という行為はそのままに、一番難しい火加減がアプリと連動してチューニングしてくれるので、出来上がりに失敗がないので、美味しくできることはもちろん、達成感も味わえるのですね〜!

上記家電のエンジニアリングディレクター曰く、レシピ進化を3段階のプロセスに分けられるとのことです。

①デジタル化・・・紙媒体のレシピがデジタル化
②動画化・・・デジタルレシピを動画化。キッチン家電の中でレシピ確認ができる。
③ソフトウェア化・・・レシピを通じてキッチン家電での行動を連動する。

日本ではまだまだ②の辺りまでとなっていますが、アメリカでは③に取り組んでいるサービスが増えてきているとのこと。先ほど紹介したヘスタン・スマート・クッキングもまさにその一例ですよね。

キッチンOSが普及することで、食のパーソナライズデータが取得できる

キッチンOSの搭載された家電が普及していくことにより、個人個人のパーソナライズされた食のデータを取得することができるので、食のカスタマズの提案ができるようになってきます。このデータを食品メーカーは欲しがりますし、様々なシーンで活用されていくことになると予想されています。

第一回目まとめ:料理をする、という行動の楽しさをいかにサポートできるかがキッチンOSの鍵なのかもしれない。

キッチンOS家電がすべてをサポートしてくれて、手間が省けて嬉しい!という気持ちもありつつも、「ボタン一つで終わらせたくない」という気持ちになるのも料理の面白いところだと本著では語られています。つまり本質的に「料理をすること=自分で考えて作るということ」の醍醐味を減らさないようにしながら、ユーザーの満足度を底上げするためのサポートであるべき、と捉えています。

確かにボタン一つで美味しい料理ができれば嬉しいけれど、それが本質的な慶に繋がるのか?と問われると私自身も「きっとそうじゃないだろうな」と感じるでしょう。ただ、自分が知らなかった好きな食材やレシピ、実現したい、作りたいと思った時のハードルを下げるような機能が搭載されていることで「料理をすることが楽しい」と思えるようになるので、おそらくこの辺りを目指したサービスが今後も登場するのではないでしょうか。

このフードテック革命を読んだ感想は引き続きまとめていこうと思いますが、デジタル技術を活用したフィジカルな事例というのは大変面白いですね!「デジタル技術に頼りすぎず、でもうまくつかっていく」というバランスをとりながら、暮らしのアップデートを日々図っていきたいです。

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